1967年日本グランプリ (4輪)

1967年日本グランプリの詳細

1967年5月3日、富士スピードウェイで行われた第4回日本グランプリ自動車レース大会が開催されました。今回のレースは、グループ6スポーツカーを主役として、多くの名ドライバーが集結し、観客を沸かせました。特に注目されたのは、日産自動車とプリンス自動車の合併によって生まれた日産ワークスです。彼らが改良したプリンス・R380の後継機、日産・R380IIの性能が注目されました。

参加車両とチーム

日産ワークスは、旧プリンス系の砂子義一、そして大石秀夫、加えて日産追浜ワークス系の北野元と高橋国光というドライバー陣で構成されました。対照的に、トヨタ自動車は出場を見送る一方、ダイハツ工業は小排気量ミッドシップマシンのダイハツ・P-5を開発し、参戦しました。また、プライベーターからはポルシェ・906が3台エントリーし、生沢徹、滝進太郎、酒井正の各選手がそのハンドルを握りました。

予選の結果

今回の日本グランプリでは、予選通過のための基準タイムが設定されることになりました。ダイハツ・P-5はこの基準を満たすことができず、両車とも予選落ちしてしまいました。また、ヒノ・サムライはオイルパンの交換後に車検を通過できず、三船敏郎が監督を務めるチームも決勝レースには出場できませんでした。結局、決勝に進めたのは日産4台、ポルシェ3台、ローラ2台の合計9台という、少数精鋭のレースとなりました。ポールポジションを獲得したのは、生沢徹によるポルシェが生まれて初めての2分切りを達成しました。

決勝レースの展開

決勝レースのスタートでは、予選3列目の安田銀治がホールショットを奪うも、すぐに生沢、酒井、高橋のドライバーに抜かれてしまいました。安田は1周目の最終コーナーでスピンを喫し、多くの車両が影響を受ける結果に。日産勢のドライバーも次々とスピンし、高橋国光だけが優勝争いに残る形となりました。

レースは進む中、高橋国光が生沢徹を追い詰める場面がありましたが、18周目に生沢がシフトミスをし、ハーフスピンを喫します。この混乱の中で生沢はピットインでエンジンを再始動し、無給油でレースを続けることを選択しました。酒井正のポルシェも終盤に高速クラッシュをするなど、レースはハイテンションのまま進行しました。

勝者の誕生

結局、レースを制したのは生沢徹。彼はポール・トゥ・ウィンを果たし、見事な勝利を手にしました。高橋はその後、同ラップの2位まで挽回し、日産勢が続く形となりました。このレースでは、外国のスポーツカーが国産車を破り勝利したものの、実は生沢のポルシェも日産製のブリヂストンタイヤを使用しており、国産タイヤがメジャーレースで初の1勝を上げる快挙となりました。

エピソード

興味深いことに、生沢徹は前年までプリンスワークスに所属していましたが、今回のレースにはプライベーターとして参戦しました。日産との契約はされていたものの、日本GPには出場できない状態であったため、友人や仲間たちの支援でポルシェを借りて出場し、見事な勝利を収めました。彼は、組織を離れた一匹狼としての逆襲を成功させたことで、注目を浴びる存在となりました。この勝利は日本のモータースポーツ史においても重要なマイルストーンとなりました。

リザルト

• - 大会名: 第4回日本グランプリ自動車レース大会
• - 主催: 日本自動車連盟
• - 決勝観客数: 85,000人
• - 決勝時間: 60周
• - ファステストラップ: 2分00秒80（生沢徹・ポルシェ）

このレースは、数多くのドラマとアクシデントに満ち、モータースポーツの魅力を再認識させる大会となったことは間違いありません。

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