1970年の西鉄ライオンズ

1970年の西鉄ライオンズの動向まとめ

1970年、プロ野球チーム西鉄ライオンズは、稲尾和久が監督として迎えた記念すべき初年度のシーズンでした。しかし、この年は前年に発覚した黒い霧事件の影響で、チームにとって非常に厳しい状況が続きました。

概要

黒い霧事件は、選手や球団に深刻な影響を及ぼしました。この年の5月25日には、名前を挙げられた主力選手4人に対して永久追放処分が下されました。永久追放の対象には、前年オフに解雇された選手も含まれており、さらに他の2選手は1年間の野球活動禁止となりました。このような困難な状況の中で、西鉄ライオンズは成績を上げることができず、最終的にシーズンを最下位で終えました。

主力投手が相次いで追放された影響で、チームは投打ともに苦しい状況でしたが、その中でも東尾修、河原明、そして新たに加入した三輪悟や柳田豊の活躍がありました。彼らの成長は将来への希望を感じさせるものでした。しかし、打撃陣においては船田和英、基満男、村上公康といった選手が事件に連座したため、攻撃の核を失い、打線の火力は大きく低下しました。

特に、加藤博一がドラフト外で入団したものの、この年は一軍での出場が無く、プロとしてのキャリアの初めは3年目の1972年まで待たなければなりませんでした。

チーム成績

1970年シーズンの西鉄ライオンズは、オールスターゲームでも十分な成績を残すことはできず、なるべくしてチームの最下位が確定しました。選手たちは厳しい状況の中で、苦しい試合を重ねました。

大きな出来事

1. 4月8日 - 昨年の八百長事件を受け、永易将之がテレビ番組で「他にも八百長に関わった選手がいる」と告白しました。
2. 4月9日 - 告白を受け、池永正明、与田順欣、益田昭雄、船田和英、村上公康、基満男が事件に関与していることが公になりました。
3. 5月13日 - 西日本鉄道社長兼球団オーナーの楠根宗生が辞任し、新たに木本元敬が社長兼オーナーに就任しました。
4. 5月26日 - 黒い霧事件に関わった選手への裁決が下され、池永や与田、益田は永久追放となり、船田と村上は11月までの出場停止処分を受けました。
5. 10月7日 - ロッテオリオンズとの対戦に敗れ、シーズン最終戦において球団初の最下位が確定しました。

選手とスタッフ

このシーズンは選手たちが窮地に立たされる中、若手選手による努力が結果を生みにくい状態でした。指導者の元で選手たちは能力を引き出す機会を得るも、全体としての成績は振るわず、選手変更や補強戦略が必要な状況になりました。

選手やスタッフもこの困難な状況を乗り越えるために一丸となって取り組む姿勢が求められました。

まとめ

1970年の西鉄ライオンズは、新監督のもと若手選手たちが貴重な経験を積む一方で、黒い霧事件の影響により成績が低迷し、艱難辛苦を伴うシーズンとなりました。この年の経験が、今後のチーム強化にどう活かされるかが注目されます。

もう一度検索