1972年全米オープン (テニス)

1972年全米オープンテニス大会

1972年の全米オープン（US Open）は、アメリカのニューヨーク市クイーンズ区にあるウエストサイド・テニスクラブで開催されました。この大会は、1972年8月28日から9月10日までの期間に行われ、テニス界における一大イベントとして位置づけられています。

大会の概要

男子シングルスは256名の選手が参加し、8回戦制で行われました。一方、女子シングルスは64名の選手による6回戦制でした。シード選手は男子16名、女子8名が選ばれ、両カテゴリーにおいて1回戦の不戦勝は存在しませんでした。大会は全て芝生コートで実施され、従来のテニススタイルを体現した試合が進行しました。

シード選手

男子シングルスでは、注目の選手としてスタン・スミスやケン・ローズウォール、ロッド・レーバー、アーサー・アッシュなどがいました。特にアーサー・アッシュは準優勝を果たし、イリ・ナスターゼが初優勝を獲得したことが話題となりました。その他にも、ジミー・コナーズやクリフ・リッチーといった名選手が参加し、激しい戦いを繰り広げました。

女子シングルスでは、ビリー・ジーン・キングが優勝し、続いてクリス・エバートとマーガレット・スミス・コートがベスト4に進出しました。キングはこの大会の勝利により、全仏オープンとウィンブルドンに続く3連勝を達成しました。

大会の進行

大会は予選段階から白熱した戦いが繰り広げられました。男子シングルスの準々決勝では、アーサー・アッシュがスタン・スミスを破り、クリフ・リッチーがフルー・マクミランに勝利しました。準決勝では、アッシュがクリフ・リッチーに勝ち、イリ・ナスターゼがトム・ゴーマンに勝利しました。最終的に決勝戦では、ナスターゼがアッシュを下し、初優勝を遂げる結果となりました。

女子シングルスでも同様に、準々決勝ではビリー・ジーン・キングがバージニア・ウェードを破り、マーガレット・スミス・コートとロージー・カザルスとの接戦が展開されました。準決勝ではキングがスミス・コートに勝利し、ケリー・メルビルもクリス・エバートを下しました。決勝戦ではキングがメルビルに勝利し、3度目の全米オープン優勝を果たしました。

各決勝戦の結果

男子シングルスでは、イリ・ナスターゼがアーサー・アッシュに対して、3-6、6-3、6-7、6-4、6-3で勝利しました。女子シングルスではビリー・ジーン・キングがケリー・メルビルに勝ち、6-3、7-5で試合を締めくくりました。男子ダブルスの部門ではクリフ・ドリスデールとロジャー・テーラーが優勝し、女子ダブルスではフランソワーズ・デュールとベティ・ストーブがチャンピオンになりました。混合ダブルスではマーティー・リーセンとマーガレット・スミス・コートが勝利を収めました。

みどころ

特に注目すべきは、男子シングルスで優勝を果たしたイリ・ナスターゼです。彼はルーマニア出身の選手として史上初の4大大会シングルス優勝者となり、その偉業はテニス界に名を刻むこととなりました。さらに、ビリー・ジーン・キングは自身のキャリアの中で全仏オープンとウィンブルドンを経て、3度目の全米オープンシングルス制覇を成し遂げるという偉業を達成しました。

この大会は、テニスの歴史において重要な一幕であったのは間違いなく、今後も語り継がれることでしょう。

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