1977年の自転車競技

1977年の自転車競技界は、ロードレース、トラックレース、競輪、シクロクロスと多岐にわたり、数々の記憶に残る出来事が生まれました。この年は、特に日本人選手として中野浩一が世界選手権プロスクラッチで優勝したことが特筆されます。また、ロードレース界ではロジェ・デ・フラミンクがモニュメントと称される5大クラシックレースを完全制覇し、その名を歴史に刻みました。以下に、この年の主な出来事と成績を詳細にまとめます。

主な出来事

中野浩一の世界選手権プロスクラッチ優勝: ベネズエラのサン・クリストバルで開催された世界選手権プロスクラッチにおいて、中野浩一が準決勝で前回優勝者のジョン＝ミカエル・ニコルソンを破り、決勝では菅田順和を破って優勝しました。これは日本人選手として初の快挙でした。2日間にわたる激戦を制し、中野浩一の存在を世界に知らしめました。
ロジェ・デ・フラミンクの5大クラシック完全制覇: ロジェ・デ・フラミンクがロンド・ファン・フラーンデレンで優勝し、リック・ファン・ローイ、エディ・メルクスに次ぐ史上3人目の5大クラシックレース完全制覇を達成しました。また、デ・フラミンクはこの年、ティレーノ〜アドリアティコで6連覇、パリ〜ルーベで史上最多となる4回目の優勝を飾るなど、圧倒的な強さを見せつけました。
フレディ・マルテンスのブエルタ・ア・エスパーニャ全区間総合首位: フレディ・マルテンスは、ブエルタ・ア・エスパーニャで全区間総合首位を守り抜き、総合優勝を果たしました。彼の圧倒的な力は、他の選手を寄せ付けませんでした。
ダニエル・モレロンの引退: トラックレース界のスター選手であったダニエル・モレロンがこの年、引退しました（後にプロ選手として復帰）。

主な成績

ロードレース

ブエルタ・ア・エスパーニャ: 4月26日から5月15日にかけて開催され、フレディ・マルテンスが総合優勝、ポイント賞を獲得しました。山岳賞はペドロ・トレスが獲得しました。
ジロ・デ・イタリア: 5月17日から6月12日にかけて開催され、ミシェル・ポランティエールが総合優勝、フランチェスコ・モゼールがポイント賞、ファウスト・フェルナンデス・オビエスが山岳賞を獲得しました。
ツール・ド・フランス: 6月30日から7月24日にかけて開催され、ベルナール・テヴネが総合優勝、ジャック・エスクラサンがポイント賞、ルシアン・ファン・インプが山岳賞を獲得しました。
世界選手権・プロロードレース: 8月27日にベネズエラのサン・クリストバルで開催され、フランチェスコ・モゼールが優勝しました。
ミラノ〜サンレモ: 3月19日に開催され、ヤン・ラースが優勝しました。
ロンド・ファン・フラーンデレン: 4月3日に開催され、ロジェ・デ・フラミンクが優勝しました。
パリ〜ルーベ: 4月17日に開催され、ロジェ・デ・フラミンクが優勝しました。
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ: 4月24日に開催され、ベルナール・イノーが優勝しました。
ジロ・ディ・ロンバルディア: 10月8日に開催され、ジャンバッティスタ・バロンケッリが優勝しました。
スーパープレスティージュ: フレディ・マルテンスが優勝しました。

トラックレース

世界選手権自転車競技大会: 中野浩一がプロスクラッチで優勝しました。

競輪

日本選手権競輪: 3月29日に一宮競輪場で決勝が行われ、小池和博が優勝しました。
高松宮杯競輪: 7月5日に大津びわこ競輪場で決勝が行われ、谷津田陽一が優勝しました。
オールスター競輪: 9月27日に千葉競輪場で決勝が行われ、谷津田陽一が優勝しました。
競輪祭: 11月29日に小倉競輪場で競輪王戦決勝が行われ、藤巻清志が優勝、11月21日には新人王戦決勝が行われ、菅田順和が優勝しました。
賞金王: 中野浩一が66,139,600円を獲得し、賞金王となりました。

シクロクロス

* 世界選手権自転車競技大会: 西ドイツのハノーファーで開催され、アルベルト・ツヴァイフェルがプロ優勝しました。

1977年の自転車競技は、数々の伝説的なレースと選手の活躍により、その歴史に深く刻まれる年となりました。特に、中野浩一の歴史的な勝利は、日本の自転車競技界に大きなインパクトを与え、多くの人々に感動を与えました。

もう一度検索