谷津田陽一

谷津田 陽一（やつだ よういち）

概要

谷津田陽一は1951年5月4日生まれの元競輪選手で、日本の競輪界に多大な影響を与えた人物です。福島県出身でありながら、競輪選手としての活動は神奈川を拠点としており、特に小田原競輪場をホームバンクとしていました。彼のデビューは1967年、競輪学校第25期生として行われ、同期には荒川秀之助や山藤浩三が名を連ねています。息子の谷津田将吾も競輪選手として活躍しており、家族の競輪への情熱が伝承されています。

経歴

谷津田は競輪選手として初めての勝利を小田原競輪場で挙げましたが、同世代の選手に比べると出世が遅れました。1973年には特別競輪（現GI）の決勝に初めて進出し、4着の成績を収めました。その後は、特別競輪にコンスタントに出場するものの、並外れた成績は得られませんでした。しかし1977年、彼の運命が一変します。

同年の高松宮杯で見事にGI初制覇を成し遂げ、続くオールスター競輪でも優勝を果たしました。この年の谷津田は飛躍的な成長を見せ、特にスピードと自在な仕掛けで若手選手たちにプレッシャーを与える存在となりました。彼は1980年に入るとさらなる活躍を見せ、松戸記念では中野との激しいバトルを繰り広げました。

師匠との絆

谷津田と彼の師匠、力石岩夫との関係は特に有名で、力石は厳しい指導者として知られています。谷津田が初めての記念を制した際には喜ばれなかったものの、高松宮杯での勝利時に力石は思わず涙しながら労いの言葉をかけました。自分が成し遂げられなかった優勝を弟子が成し遂げたことに、力石は深い感慨を抱いていたと考えられます。

現役晩年

現役晩年には福島県の双葉町へ戻り、息子の将吾が競輪選手を目指していたこともあり、自宅には練習道場を開設しました。谷津田はその道場で多くの若者を指導し、将吾以外にも多くの選手を育て上げました。彼の教え子たちの中には、GIタイトルホルダーであり、日本代表としてオリンピックに出場した選手も含まれています。1992年には小松島競輪場にて通算500勝を達成し、2002年には588勝の結果で選手登録を解除されました。

引退後の生活

引退後は双葉町で静かに暮らしていましたが、2011年の大震災の影響で避難生活を余儀なくされました。しかし、2022年には避難指示が解除され、現在は妻と飼い犬2匹とともに新たな生活を始めています。

主なタイトル

• - 1977年：高松宮杯競輪（大津びわこ競輪場）
• - 1977年：オールスター競輪（千葉競輪場）

谷津田陽一はその競技者としての活動と、引退後の指導者としての取り組みを通じて、多くの競輪選手たちに影響を与え続けています。

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