1979年の近鉄バファローズ

1979年の近鉄バファローズのシーズン概要

1979年の近鉄バファローズは、球団創設以来初のリーグ優勝を達成した特別なシーズンでした。このシーズン、監督の西本幸雄は就任6年目を迎え、チームは前年の悔しさを胸に抱えてシーズンに臨みました。

チームの前進と新戦力の獲得

前回のシーズンで惜しくも優勝を逃した近鉄は、さらなる飛躍を求めて地方エースの神部年男を放出し、ヤクルトから4番打者のチャーリー・マニエルを獲得しました。マニエルは開幕から4番打者として活躍し、チームは彼の存在に勇気づけられ、一気に打撃陣が活性化しました。特に、前年の首位打者佐々木恭介や平野光泰など、多くの選手が好調を維持し、開幕から波に乗りました。

アクシデントとの闘い

ところが、シーズンの途中で思わぬアクシデントが起こります。6月9日のロッテ戦でマニエルが八木沢荘六の投球による死球を受け、しばらく戦線を離脱することに。不在の間、チームは阪急に迫られましたが、前期最終戦で南海と引き分けを結び、どうにか前期を制覇しました。これはチームにとって大きな意味を持っていました。

後期の奮闘とプレーオフの勝利

後期が進む中、阪急とは激しい争いを繰り広げましたが、結果的に競り負けてしまいます。しかし、プレーオフで阪急を破り、ついに球団創立30年目にして首位に立つこととなり、西本監督もついに胴上げされる幸運に恵まれました。この優勝の裏には、マニエルを中心とした打撃陣の奮闘だけでなく、不動のエース鈴木啓示や井本隆、村田辰美らの投手陣の活躍がありました。特に、抑え投手の山口哲治は、頼れる存在としてチームを支えることとなりました。これにより、チームの防御率はリーグ1位の3.70を達成し、強固なチーム作りが実を結びました。

日本シリーズとの激闘

そして迎えた日本シリーズは、古葉竹識監督が率いる広島との対戦。シリーズは白熱した戦いとなり、第7戦まで進展しましたが、最終的には「江夏の21球」として知られる激しい攻防に屈し、球団初の日本一はなりませんでした。この試合の記憶は、ファンの心に強く刻まれています。

総括

1979年の近鉄バファローズは、誇り高い歴史の一ページとして語り継がれるシーズンを送りました。新加入のマニエルや既存のスター選手たちの活躍、優勝への執念は、球団の未来に希望をもたらしました。これを機に、近鉄バファローズは更なる飛躍に向けて躍動していくこととなります。

もう一度検索