1985 FNS歌謡祭

1985年12月3日と17日、フジテレビ系列で放送された第14回FNS歌謡祭は、音楽史に刻まれた輝かしいイベントでした。中野サンプラザで行われた予選『発表！FNS歌謡祭'85優秀賞』と、日本武道館で開催されたグランプリ決定戦『決定！FNS歌謡祭'85グランプリ』の2部構成で、視聴者を魅了しました。

この回は、予選がシリーズ最後となり、最優秀作詞・作曲・編曲賞も予選で発表されました。また、コンサート形式に変更される2015年まで、年2回の放送は中断することになります。

司会は、芳村真理さんと露木茂アナウンサー（当時フジテレビ）が務め、リポーターとして川端健嗣アナウンサー（当時フジテレビ）、筒井櫻子アナウンサー（当時フジテレビ）、斎藤千夏アナウンサー（当時石川テレビ）、向坂樹興アナウンサー（フジテレビ）らが活躍しました。

授賞式では、数々の豪華な顔ぶれが受賞の栄誉に輝きました。最優秀新人賞には楠田枝里子さん、特別賞には小川宏さん、最優秀ヒット賞には桂三枝さん、最優秀視聴者賞には長山藍子さん、そして最優秀歌唱賞には佐々木信也さんが選ばれました。グランプリ（大賞）を受賞したのは、中森明菜さんの「ミ・アモーレ〔Meu amor é･･･〕」でした。

安全地帯は、グランプリ決定戦の日にコンサートで金沢に滞在しており、大雪の影響で会場への到着が大幅に遅れました。そのため、予選で事前収録された映像が放送され、最優秀歌唱賞の受賞時にはようやく会場に到着し、生演奏を披露しました。このエピソードは、当時の状況を物語る貴重な逸話として記憶されています。

受賞作品・受賞者一覧は以下の通りです。

グランプリ（大賞）：中森明菜「ミ・アモーレ〔Meu amor é･･･〕」
最優秀歌唱賞：安全地帯「悲しみにさよなら」
最優秀新人賞：本田美奈子「Temptation（誘惑）」
最優秀ヒット賞：中森明菜「飾りじゃないのよ涙は」
* 最優秀視聴者賞：五木ひろし「そして…めぐり逢い」

優秀歌謡音楽賞（グランプリ候補）には、中森明菜、シブがき隊、森進一、近藤真彦、とんねるず、石川秀美、アン・ルイス、岡田有希子、吉幾三、安全地帯、クラッシュギャルズ、岩崎良美、五木ひろしといったそうそうたるメンバーが名を連ねました。

優秀新人賞（最優秀新人賞ノミネート）には、芳本美代子、中村繁之、松本典子、本田美奈子、井森美幸らがノミネートされました。

特別賞を受賞したのは、おニャン子クラブ、とんねるず、森進一でした。

最優秀作詞・作曲・編曲賞は、湯川れい子さん（作詞）、林哲司さん（作曲）、大村雅朗さん（編曲）が受賞しました。

番組を支えたスタッフ、音楽、美術、技術、演出など多くの関係者の貢献が、この華やかな歌謡祭を作り上げました。この1985年のFNS歌謡祭は、80年代歌謡界の隆盛を象徴するイベントとして、日本の音楽史に重要な位置を占めています。当時を懐かしむ方々や、日本の音楽史に興味のある方々にとって、貴重な資料となるでしょう。

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