1987年の横浜大洋ホエールズ

1987年の横浜大洋ホエールズのシーズン概要

1987年、横浜大洋ホエールズにとってのシーズンは新しい試みと挑戦の一年でした。この年、監督に就任したのは古葉竹識氏で、彼の指導の下でチームは再構築の道を歩み始めました。古葉監督は広島での成功を背景に、この新たなチャレンジに臨んだのです。

古葉監督の就任と選手の配置

古葉監督の就任にあたって、球団は全権を委任し、彼が自ら選んだコーチ陣が揃いました。ヘッドコーチには寺岡孝氏、打撃コーチには佐野嘉幸氏、守備走塁コーチには小林正之氏など、広島時代の腹心たちが集結しました。さらには、二軍の陣容にも中村光良や雑賀幸男といった人材が起用され、古葉ファミリーが形成されました。

選手面では、広島や南海からベテラン選手を獲得し、スーパーカートリオを中心に、4番にはカルロス・ポンセ、スタメンには片平晋作が入るなど、多彩なラインナップを組みました。しかし、加藤博一は怪我の影響で成績が振るわず、新たに加入したシクスト・レスカーノは不振に終わり、シーズン早々に引退が発表されるなど、厳しい現実もありました。

投手陣の充実と課題

投手陣は充実しており、エースとして遠藤一彦が君臨し、新浦壽夫も復帰して11勝を挙げ、さらなる期待を寄せられました。しかし、守護神としての斉藤明夫を含め、一部のリリーフ陣がつまずく試合が多く、その影響でチームの防御率は4.26と、リーグ4位に終わりました。そのため、打撃と投手陣の整合性が問われるシーズンとなったのです。

広島との対戦と対成績

開幕戦から古葉監督の古巣である広島に対しては、最初の2戦で11連敗するなど厳しい結果が続きました。しかし、その後は9連勝を果たし、最終的には13勝13敗の成績で五分に持ち込むなど、底力を見せました。それでも、広島には11ゲーム差をつけられ、その年の優勝チームである巨人には22.5ゲーム差を広げられる結果となりました。

シーズンの総括と未来への布石

古葉監督の初年度は5位という順位で終了したものの、チームの若手選手が台頭し、阪神との戦いでは優位に立ち、最下位を回避したことは評価されました。また、この年のドラフトでは、後の横浜ベイスターズを支える盛田幸妃と野村弘樹が指名され、将来を見据えた布石を打つことができました。

このように1987年の横浜大洋ホエールズは、新しい監督のもとでの再生を目指し、選手たちがそれぞれの役割を果たす一年となりました。これを機に、さらなる成長と飛躍が期待されることでしょう。

もう一度検索