コローニ

コローニ・モータースポーツ (Coloni Motorsport s.p.a.)

コローニ・モータースポーツは、イタリアのウンブリア州ペルージャに拠点を置くレーシングチームです。このチームは、1987年から1991年までの5年間にわたり、フォーミュラ1（F1）の世界選手権に参戦しました。創設者はエンツォ・コローニで、地元イタリアのフォーミュラ3での成功を経て、F1への挑戦を決意しました。

F1への挑戦

コローニは1987年のイタリアGPで、ニコラ・ラリーニをドライバーに迎え活動を開始しました。コローニ・FC187というマシンで登場しましたが、予選を通過することができず、2戦目のスペインGPでやっと決勝に進出したものの、完走できませんでした。この年は、わずか2レースのスポット参戦にとどまりました。

翌1988年には、ガブリエル・タルキーニのドライブでフル参戦を開始し、新たにFC188とFC188Bの2台を製作して投入しました。この年の第4戦メキシコGPで、ようやくフォーミュラ1の決勝レースを完走し、14位となる結果を残しました。その後も挑戦を続けましたが、1989年にはロベルト・モレノとピエール＝アンリ・ラファネルのダブルドライバー体制を採用しました。

しかし、このシーズンは参加台数が急増し、予備予選が厳しくなり、チームは決勝進出の回数を制限されました。カナダGPでのニューマシンC3のデビューもありましたが、資金不足が影響し、最終的にはモレノが予選に通過したポルトガルGPでの出走が最後となりました。

スバルとの提携

1989年末、富士重工業（スバル）がチームの半数の株式を買い取り、1990年からスバル・コローニとしてエントリーを始めました。新たに共同開発した水平対向12気筒エンジンを搭載し、ベルトラン・ガショーがドライバーに選ばれました。しかし、エンジンの信頼性や重量に関する問題から、開幕戦アメリカGPでは満足な成績を残せませんでした。予備予選すら通過できず、8戦目のイギリスGPでスバルとの提携は終わりを迎え、フォード・コスワースDFRエンジンを搭載したマシンで再出発を図りましたが、状況は変わらず決勝進出も叶いませんでした。

1991年は新たにC4を制作し、ポルトガル出身のドライバー、ペドロ・チャベスと契約しましたが、開発基盤の脆弱さも重なり、事態は改善しませんでした。多くのサポートを募るも、予備予選での不振が続き、最終的には日本GPでの挑戦でも予備予選通過を果たせない結果となりました。

チームの撤退とその後

1990年末に、エンツォ・コローニがチームを売却し、アンドレア・サセッティに引き継がれましたが、エンツォはマネージャーとして残留しました。その後、売却された新しいチームはアンドレア・モーダとして1992年にF1に参戦しますが、不祥事により同年のベルギーGPを最後にF1シーンから姿を消しました。

コローニはF1撤退後、下位フォーミュラに進出し、地元イタリアF3や国際F3000に参加しました。また、ユーロ3000シリーズの運営にも関与しました。2006年からはジャンカルロ・フィジケラと共にFMSチームとして参戦し、元F1ドライバーのジョルジオ・パンターノがチームに加入し、3勝を上げる成果を収めました。

このように、コローニ・モータースポーツはF1の舞台で短いながらも挑戦を続け、後にさまざまなカテゴリーでの活動を展開していきました。

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