1990年全仏オープン

1990年 全仏オープン

1990年の全仏オープン（Internationaux de France de Roland-Garros）は、フランス・パリにあるスタッド・ローラン・ギャロスで1990年5月28日から6月10日までの期間に開催され、多くの名勝負が繰り広げられました。

シード選手

大会には多くのトップ選手が参加し、男子シングルスではステファン・エドベリ、ボリス・ベッカー、アンドレ・アガシといった著名な選手がシード選手でした。特にアガシは準優勝、エドベリとベッカーは初戦で敗退するという波乱が起こりました。一方、女子シングルスではシュテフィ・グラフやモニカ・セレシュがシード選手として名を連ね、セレシュは見事に初優勝を達成しました。

大会の流れ

男子シングルス

準々決勝では、アンドレ・アガシがマイケル・チャンを、アンドレス・ゴメスがシェリー・シャンピオンを圧倒的なプレーで下し、準決勝に進出しました。準決勝では、アガシがヨナス・スベンソンを、ゴメスがトーマス・ムスターを相手に勝利を収め、決勝へと駒を進めました。決勝戦では、アンドレス・ゴメスがアンドレ・アガシに対し苦戦を強いられましたが、最終的には6-3, 2-6, 6-4, 6-4で勝利し、エクアドル出身として4大大会で初めてのシングルス優勝を果たしました。

女子シングルス

女子シングルスの準々決勝では、シュテフィ・グラフがコンチタ・マルチネスを、モニカ・セレシュがマニュエラ・マレーバ・フラニエールを相手に逆転勝利を収め、準決勝へ進出。準決勝ではグラフがヤナ・ノボトナ、セレシュがジェニファー・カプリアティを倒し決勝に挑みました。決勝戦では、セレシュがグラフを相手に7-6, 6-4で勝利を収め、16歳6ヶ月という若さで全仏オープンの女子最年少優勝者となりました。

特筆すべきこと

1990年の全仏オープンは特に記憶に残る出来事が多くありました。男子シングルスでは、初戦で第1シードのエドベリと第2シードのベッカーが同時に敗れるというテニス史上初の事態が発生しました。女子シングルスでは、まだ14歳2ヶ月のジェニファー・カプリアティがデビュー戦で準決勝に進む快挙を成し遂げました。

また、セレシュが更新した女子シングルスの最年少優勝記録は、その後も語り草となり、彼女の才能がどれほど特異なものであったかを証明する出来事となりました。男子シングルスの優勝者であるゴメスは、30歳という年齢での初優勝は大会史上4番目に年長での優勝となりました。

このように、1990年の全仏オープンは数々のドラマと感動を生み出し、テニス界でも長く語り継がれる大会となりました。

もう一度検索