1992年のJリーグカップ

1992年Jリーグカップの概要

1992年に幕を開けたJリーグカップは、サッカー界において特別な意味を持つ大会です。この大会は、翌年のJリーグ開幕を前に行われたプレ大会として位置付けられ、Jリーグ初の公式な競技とされました。開幕戦は9月5日に行われ、最終決勝は11月23日に国立霞ヶ丘競技場で開催されました。

大会名とスポンサー

大会の正式名称は「Jリーグヤマザキナビスコカップ」で、ヤマザキナビスコが冠スポンサーとして名を連ねました。この大会は、サッカーファンにとって公式戦への期待が高まる中で行われ、今後のリーグ戦への足掛かりとなりました。

レギュレーションについて

1992年Jリーグカップのレギュレーションは、新たに発足するJリーグに参加予定の10クラブによるものでした。これらのクラブは、前年度のJSLでの成績を基に選ばれました。この大会では、全てのチームが1回戦総当たり形式で戦い、各チームは9試合を行います。トータルの試合数は45試合となります。

試合は完全決着方式が採用されており、通常の90分で勝者が決しない場合は延長戦に突入します。この延長戦はサドンデスゴール方式で進行します。また、PK戦も同様にサドンデス方式が導入され、特にプロリーグにおいては初めての取り組みだったことから、注目を集めました。

試合ごとに勝ち点が与えられ、リーグ戦終了時に上位4チームが決勝トーナメントに進出します。勝ち点の付与方法は特色を持ち、勝者には勝ち点4が与えられ、さらに90分以内の試合で2得点を記録するごとにボーナスとして勝ち点1が追加される仕組みでした。例えば、試合結果が3-2の場合、勝者は勝ち点5を得ることになります。このボーナス制度はこの大会特有のものであり、以後のカップ戦やリーグ戦では使用されることはありませんでした。

ホームゲームの実施

多くのチームが当時還元される利便性に応じて、スタジアムの基準を満たす工事を行っていました。そのため、各クラブは次のようなスタジアムでホームゲームを実施しました：

• - 鹿島：笠松運動公園陸上競技場、国立競技場、京都市西京極総合運動公園陸上競技場
• - 浦和：埼玉県営大宮公園サッカー場、川越運動公園陸上競技場
• - 市原：太田市運動公園陸上競技場、千葉県総合運動場陸上競技場、国立西が丘サッカー場、平塚競技場
• - V川崎：国立競技場、等々力陸上競技場
• - 横浜M：平塚競技場、国立競技場、愛媛県総合運動公園陸上競技場
• - 横浜F：長崎県立総合運動公園陸上競技場、鹿児島県立鴨池陸上競技場、平塚競技場、国立西が丘サッカー場
• - 清水：清水市日本平運動公園球技場、静岡県営草薙陸上競技場
• - 名古屋：名古屋市瑞穂球技場、三重県営鈴鹿スポーツガーデン
• - G大阪：神戸市立中央球技場、京都市西京極総合運動公園陸上競技場、岡山県陸上競技場 桃太郎スタジアム、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場
• - 広島：広島スタジアム

決勝戦までの道のり

大会は予選リーグと決勝トーナメントから成り、準決勝を経て決勝戦が行われます。特に決勝戦は待望の一戦であり、他の試合と同様に白熱した戦いが繰り広げられました。当年度の優勝クラブはヴェルディ川崎（当時は読売クラブ）であり、彼らはこの結果を受けて1993-94アジアクラブ選手権への出場権を獲得しました。

表彰と特別な記録

大会のMVPに選ばれたのは、ヴェルディ川崎の三浦知良選手であり、彼の活躍は特に評価されました。また、得点ランキングについても注目が集まり、様々な選手がその活躍を披露しました。テレビ中継はテレビ東京系列で行われ、多くのファンが熱狂したことが記憶されています。

この1992年Jリーグカップは、日本サッカーにおける重要な節目となり、その後のリーグ成長・発展に寄与しました。

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