1996年アトランタオリンピックのバスケットボール競技・女子日本選手団

1996年、アメリカ合衆国のアトランタで開催された夏季オリンピックにおいて、バスケットボール女子日本代表は大きな注目を集めました。

1995年のアジア選手権で3位に入り、その結果、日本は1976年のモントリオール大会以来、実に20年ぶりとなるオリンピック出場権を獲得したのです。この「中川ジャパン」と呼ばれたチームは、ヘッドコーチの中川文一氏の下、団長の安達宣郎氏、アシスタントコーチの永井祥剛氏と小牟禮育夫氏、マネージャーの地原礼子氏、トレーナーの津田清美氏といったスタッフ陣に支えられていました。

チームを構成する選手は以下の通りです。

内海知秀 (主将)
萩原美樹子
村上睦子
原田裕花
大山妙子
山田かがり
楠田香穂里
参河紀久子
加藤貴子
川崎真由美
永田睦子

（注：川崎選手と永田選手を除く全員が、1994年の世界選手権代表でもありました。）

アトランタオリンピックの予選リーグ（グループA）では、日本代表は強豪国との対戦を繰り広げました。初戦でイタリアに敗れたものの、続くカナダ戦では劣勢を跳ね返し、11点差を追い上げて延長戦の末に勝利を掴みました。その後、ロシア、ブラジルには敗れたものの、中国には勝利し、予選リーグを突破しました。

グループAの試合結果は以下の通りです。

イタリア 66-52 日本
日本 95-85 カナダ
ロシア 73-63 日本
日本 75-72 中国
ブラジル 100-80 日本

決勝トーナメントに進んだ日本は、準々決勝で優勝候補であり、「本物のドリームチーム」とも称されたアメリカ合衆国と対戦しました。結果は93対108で敗れたものの、強大なアメリカに対して15点差というスコアは、今大会のアメリカ戦における最小得点差であり、日本チームの健闘ぶりを示すものでした。この試合は、多くの人々に日本女子バスケットボールの実力の高さと可能性を感じさせました。

準々決勝敗退後、順位決定戦に回った日本は、5位-8位決定予備戦でロシアに敗れましたが、7位決定戦では予選リーグで敗れたイタリアと再び対戦し、81対69で勝利を収めました。これにより、日本代表は最終順位を7位としました。

この大会における日本代表は、チームとしての優れた記録も残しています。3ポイントシュートの成功数（66本）とフリースロー決定率（78.7％）は、出場チームの中でそれぞれ1位という素晴らしい成績でした。これは、正確なシュート力と勝負強さを示しています。

また、大会の翌年には、チームの中心選手の一人であった萩原美樹子選手が、女性プロバスケットボールリーグであるWNBAに挑戦し、契約を勝ち取りました。これは、アトランタオリンピックでの活躍が世界に認められた証であり、その後の日本バスケットボール界にも大きな影響を与えました。

アトランタオリンピックにおける女子バスケットボール日本代表の活躍は、20年ぶりのオリンピック出場という歴史的な意味合いに加え、強豪国相手に見せた粘り強い戦いや、大会トップクラスのシュート成功率など、記憶に残るものでした。この経験は、その後の日本女子バスケットボールのさらなる発展へとつながっていく貴重な一歩となりました。

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