1998年アリアナ・アフガン航空ボーイング727墜落事故

1998年アリアナ・アフガン航空ボーイング727墜落事故

1998年3月19日、アリアナ・アフガン航空のボーイング727-228型機が、カンダハール国際空港からカーブル国際空港へ向かう途中に墜落し、乗員乗客45名全員が死亡するという痛ましい事故が発生しました。

事故機の詳細

事故を起こした機体はボーイング727-228（機体記号：YA-FAZ）で、1981年1月22日に初飛行を行いました。エンジンはプラット・アンド・ホイットニー JT8D-15を搭載していました。

事故の経緯

事故機は、アラブ首長国連邦のシャールジャ国際空港を出発し、カンダハール国際空港を経由してカーブル国際空港へ向かう予定でした。カーブル国際空港への着陸に向けて降下中、現地時間13時00分に高度2,700フィート（約820メートル）の地点でシャーキ・バラタイ山に激突しました。当時、現場は雪や雨に見舞われ、視界が非常に悪い状況でした。

事故後の状況

事故発生後、救助活動が開始されましたが、悪天候と機体の残骸が炎上している状況に加え、1979年から1989年のソ連によるアフガニスタン侵攻時に設置された地雷の影響もあり、作業は困難を極めました。タリバン政権やアリアナ・アフガン航空の関係者は、32個の遺体袋とさらに15個の遺体袋を山から運び出したと報告しています。アリアナ・アフガン航空は、事故機には乗客32名と乗員13名が搭乗していたと発表しました。

ブラックボックスの捜索が行われたとされていますが、事故原因に関する公式な報告や調査は行われていません。これは、当時タリバン政権が国際的に孤立していたことが影響していると考えられます。アリアナ・アフガン航空の社長は、事故の原因は悪天候であると述べています。

この事故は、後にアリアナ・アフガン航空がEU空域への立ち入りを禁止される要因の一つとなりました。

タリバンとアルカイダの関与

2001年11月のロサンゼルス・タイムズの記事によると、この便はシャールジャ、パキスタン、アフガニスタンの間で武器、金、麻薬、イスラム過激派を輸送する密輸ルートの一部であった可能性が指摘されています。乗客には、1996年から2001年までアフガニスタンの大部分を支配し、ウサマ・ビンラディンを匿っていたアルカイダとタリバンの戦闘員が含まれていたとされています。タリバンはアリアナ・アフガン航空の航空機や資産、カンダハール国際空港とカーブル国際空港を支配していたため、航空機の運航を容易にし、戦闘員に偽のIDを提供していたと考えられています。

ロサンゼルス・タイムズは、この便のパイロットがタリバンの関係者であった可能性も示唆しています。また、1996年8月には、アフマド・シャー・マスードの民兵が、ジャララバード空港から出発しようとしていたアリアナ・アフガン航空のボーイング727から、木材に隠されたアヘンを発見し、その便の飛行を阻止した事件も報じられています。アメリカの情報当局は、これらのフライトやタリバン政権がアリアナ・アフガン航空に与えていた特権について認識していたとされています。

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