カーブル国際空港とは？意味をやさしく解説

カーブル 国際空港

カーブル国際空港（英語: Kabul International Airport）は、アフガニスタンの首都カーブル北部にある国際空港です。パシュトー語では「د حامدکرزی نړيوال هوائي ډګر」、ペルシア語では「میدان هوائی بین المللی حامدکرزی」と表記されます。かつてはカーブル・フワージャ・ラワーシュ国際空港とも呼ばれていました。また、ハーミド・カルザイ国際空港という名称も、かつての大統領の名にちなんで用いられていました。

概要

カーブル国際空港は、アフガニスタン最大の国際空港として機能していましたが、1970年代以降の度重なる戦火によって深刻な被害を受けました。そのため、日本を含む国際社会からの支援を受け、機材の整備や空港ターミナルの建設が行われ、2008年 11月6日には新しいターミナルビルがオープンしました。その後も、航法支援設備のグレードアップなどが継続的に行われました。

2021年8月までは、航空管制、燃料供給、通信事業は北大西洋条約機構（NATO）加盟国の文民が担当し、空港の治安維持はトルコ、アメリカ、イギリス、アゼルバイジャンの部隊が担当していました。しかし、同月31日までにこれらの業務はターリバーンに委ねられました。ターリバーン側は管制業務などを担う人材が不足していたため、トルコと交渉を行いましたが、最終的にはカタールが人材を派遣しました。9月5日には、アリアナ・アフガン航空がヘラート、カンダハール、マザーリシャリーフ間で国内便の運行を開始し、9月9日にはカタール航空がドーハ間で国際便の運行を開始しました。

2021年政権崩壊に伴う混乱

2021年8月15日、ターリバーンがカーブルに迫り、アフガニスタン政府が崩壊（2021年ターリバーン攻勢参照）すると、空港はアメリカ大使館員らの国外避難のために利用されました。また、国外避難を希望する多くの市民が空港に殺到し、民間旅客機の出発はキャンセルされました。アメリカ軍は、外交官や大使館職員を退避させる輸送機に人々がしがみつくのを阻止するために空に向けて発砲し、混乱の中で5人が死亡したという情報もあります。8月17日からは、国外に退避する市民向けの航空便の運行が再開されました。

アメリカは、避難民が殺到する空港及び周辺でISIL-K（イラクとレバントのイスラム国コラサン州）によるテロ対策を講じていましたが、8月26日には空港のアビーゲート付近で自爆テロが発生し、180人以上が死亡しました。これにより空港機能は一時停止しましたが、翌27日には再開されました。

8月30日、ISIL-Kは空港に向けて6発のロケット弾を発射したと発表しましたが、これらは空港のミサイル防衛システムによって迎撃され、被害は生じませんでした。同日夜には、アメリカ軍の最後の輸送機がアメリカ国務省とアメリカ国防総省のチームを乗せて空港を離陸し、アメリカ軍の撤退が完了しました。これを受けて、米連邦航空局は空港での航空管制システムが機能していないため、米国民間機のアフガニスタン上空飛行を事前認可なしに禁止しました。

8月31日、アメリカ軍の撤退完了後、ターリバーンの報道担当幹部ザビフラ・ムジャヒドが記者会見を行い、ターリバーンの勝利を祝福しました。

9月には、カタール政府が運用するカタールアミリフライトとカタール空軍所属のC-17輸送機が複数回にわたり空港技術者などを輸送し、4日から空港の一部運用を再開し、国際線運航再開に向けた復旧作業が行われました。

就航航空会社と就航都市

旅客便

現在、カーブル国際空港に就航している主な航空会社と就航都市は以下の通りです。

アリアナ・アフガン航空
カタール航空

貨物便

現在、カーブル国際空港に就航している主な貨物便については、情報が限られています。

脚注

BBC NEWS | South Asia | Karzai opens Kabul air terminal
Kabul International Airport (KBL/OAKB) | Arrivals, Departures & Routes | Flightradar24

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