聖飢魔IIの極悪集大成盤『1999 BLOOD LIST』:ソニー時代楽曲を網羅した金盤
1999年7月1日、ヘヴィメタルバンド
聖飢魔IIは、解散発表後の集大成となるベストアルバム『1999 BLOOD LIST』を発表しました。これは
1999年にリリースされた『
1999 BLACK LIST』に続く、2枚目のベスト盤であり、単なるコンピレーションアルバムではなく、
聖飢魔IIの活動における極悪集大成盤として位置付けられています。
『1999 BLOOD LIST』は、
聖飢魔IIがBMGビクターに移籍する前に所属していたソニー・ミュージックエンタテインメント時代の楽曲を中心に収録されています。しかし、単なる過去の楽曲の寄せ集めではなく、新録の楽曲や、ボーカルを新たに録音し直した楽曲、さらにはこれまで世に出ることのなかった未発表テイクなども含まれています。このアルバムにおける楽曲のバリエーションの豊かさは、
聖飢魔IIの幅広い音楽性を示すものと言えるでしょう。
特に注目すべきは、M1の新録楽曲、そしてM15とM16のボーカル新録楽曲です。これらは、過去の楽曲を単に焼き直したものではなく、当時の
聖飢魔IIの演奏技術と音楽的センスがさらに進化したことを証明するものです。また、未発表テイクの存在は、ファンにとって大きな喜びであり、
聖飢魔IIの活動の全貌を垣間見ることができる貴重な資料となっています。
『
1999 BLACK LIST』が銀色のディスクレーベル、そして『DEVIL BLESS YOU!』が銅色であるのに対し、『1999 BLOOD LIST』のディスクレーベルは金色となっており、この3枚のアルバムは、
聖飢魔IIの歴史において重要な位置を占める象徴的な作品として、それぞれ異なる色で識別されています。初回生産限定盤には、さらに紙製のハードカバーが付属し、豪華な仕様となっている点も特筆すべきでしょう。
さらに、既発曲の中には、他のアルバム『WORST』にも収録されている楽曲が含まれています。しかし、『1999 BLOOD LIST』に収録されているバージョンは、オリジナルバージョン、WORSTバージョン、そしてアレンジの異なるバージョンなど、楽曲ごとに異なっています。例えば、「蠟人形の館」と「
アダムの林檎」はオリジナルバージョンが収録されていますが、「
THE END OF THE CENTURY」「
BIG TIME CHANGES」「
STAINLESS NIGHT」「
白い奇蹟」は『WORST』バージョンが収録されています。「OVERTURE 〜
WINNER!」は、歌の部分が新録され、それに合わせて演奏もリミックスされています。これらの違いは、聴き比べの楽しみをさらに深める要素となっています。
『1999 BLOOD LIST』は、BMGビクターからリリースされた『
1999 BLACK LIST』と対比される作品であり、「元祖極悪集大成盤」という位置づけで、ソニー時代の楽曲の集大成として高い評価を受けています。両アルバムは収録楽曲に重複する部分もありますが、録音時期やアレンジが異なるなど、聴き比べることで新たな発見があるでしょう。
2021年
1月27日には、Blu-spec CD2仕様とLP盤が再発されました。LP盤は2枚組となっており、「
空の雫」と「ARCADIA」という2曲が追加収録されている点が大きな特徴です。さらに、
バーニー・グランドマンによるリマスタリング・カッティングが施されていることで、より高音質での再生が可能となっています。
『1999 BLOOD LIST』は、
聖飢魔IIの音楽性と歴史を深く理解するための重要な作品であり、彼らの音楽を愛するファンにとって、必携のアルバムと言えるでしょう。楽曲の多様性、高音質のサウンド、そして豪華なパッケージングは、まさに極悪集大成盤にふさわしい内容となっています。