STAINLESS NIGHT

聖飢魔IIのシングル「STAINLESS NIGHT」：闇夜に輝くステンレスの輝き

1988年、日本のヘヴィメタルシーンを席巻した聖飢魔II。彼らが5枚目のシングルとして世に送り出したのが「STAINLESS NIGHT」です。この曲は、バンドの楽曲の中でも特異な魅力を放ち、多くのファンを魅了しました。単なる楽曲紹介にとどまらず、その背景にある様々な要素を紐解きながら、聖飢魔IIの音楽史における位置づけを探っていきましょう。

1988年5月21日、闇夜に響き渡った聖なる咆哮

「STAINLESS NIGHT」は、1988年5月21日にリリースされました。作詞はデーモン小暮閣下、作曲はエース清水長官が担当。聖飢魔II特有のヘヴィメタルサウンドに、デーモン小暮閣下の圧倒的な歌唱力が加わった、まさに聖飢魔IIの真骨頂と言える一曲です。シングルとしてのインパクトも大きく、多くのリスナーに強烈な印象を与えました。しかし、同年12月9日にリリースされたアルバム『THE OUTER MISSION』には収録されておらず、その後の再収録にも時間を要しました。

アルバム未収録、そして再収録への道

「STAINLESS NIGHT」は、アルバム『THE OUTER MISSION』には収録されませんでした。これは、聖飢魔IIのアルバム制作における戦略的な判断だった可能性も考えられます。しかし、この楽曲の潜在的な人気は高く、翌1989年9月21日には極悪集大成盤『WORST』にリミックスバージョンで収録されました。さらに、カップリング曲の「SCHWARZ KASTELL」は、1991年12月13日発布の『愛と虐殺の日々』に収録されています。これらの事実からも、「STAINLESS NIGHT」が聖飢魔IIの音楽活動において重要な位置を占めていたことが分かります。

「ザ・ベストテン」出演と象徴的なレイピア

「STAINLESS NIGHT」は、音楽番組『ザ・ベストテン』のコーナー「今週のスポットライト」にも登場しました。この番組で、デーモン小暮閣下はレイピアを携えて歌唱。そのパフォーマンスは、強烈なインパクトを残し、聖飢魔IIの個性と存在感を改めて世に知らしめました。このレイピアは、次のシングル「BAD AGAIN 〜美しき反逆〜」のミュージックビデオでも使用されており、聖飢魔IIの象徴的なアイテムとして、バンドのアイデンティティをより鮮明に示すものとなりました。

ジャケット写真：SF的怪物とサングラス

「STAINLESS NIGHT」のジャケット写真は、鎧を身につけ、サングラスをかけた怪物が描かれています。このSF的なデザインは、楽曲の世界観を見事に表現しており、リスナーの想像力を掻き立てます。聖飢魔IIの楽曲は、音楽性だけでなく、ビジュアル面でも高い完成度を誇り、多くのファンを魅了しました。このジャケット写真も、その一例と言えるでしょう。

ラジオ番組でのロングヒットと「お茶濁しソング」

「デーモン小暮のオールナイトニッポン」では、「STAINLESS NIGHT」が1988年4月からオンエアされました。しかし、次のシングル「WINNER!」のオンエア解禁まで、長期間に渡り繰り返し放送されました。8月頃には番組内で「『WINNER!』が解禁になるまで、とりあえずこれでお茶を濁すということで…」と、お茶濁しソングとして言及されたほどです。このエピソードからも、この楽曲が当時どれほど人気を博していたかが窺えます。

楽曲の構成と歌詞：ドイツ語と四字熟語の妙技

「STAINLESS NIGHT」の歌詞は、デーモン小暮閣下による作詞で、ドイツ語や四字熟語を巧みに織り交ぜた、婉曲的で深遠な表現が特徴です。この独特の歌詞は、楽曲の世界観をより豊かにし、リスナーに深い印象を与えました。聖飢魔IIの楽曲に共通する、高度な言語表現と音楽性の融合が見事に体現された、重要な要素の一つと言えるでしょう。

まとめ：聖飢魔II音楽史における重要な一曲

「STAINLESS NIGHT」は、聖飢魔IIのシングル曲の中でも、その後の活動や作品に大きな影響を与えた重要な一曲と言えるでしょう。アルバム未収録ながらも、リミックス版での収録やラジオ番組でのロングヒット、そして象徴的なレイピアといったエピソードは、この楽曲が聖飢魔IIにとって特別な存在であることを示しています。その音楽性、ビジュアル、そして周囲の状況、すべてが絡み合って、聖飢魔IIというバンドのアイデンティティを鮮やかに彩る、まさに「聖なる夜」の輝きを放つ一曲なのです。

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