2004年リトアニア大統領選挙

2004年リトアニア大統領選挙は、2004年6月に行われた大統領選挙です。この選挙は、当時のロランダス・パクサス大統領が弾劾されたことを受けて実施されました。

選挙の経緯

2003年に就任したパクサス大統領は、その職務遂行をめぐる疑惑により弾劾裁判にかけられました。憲法裁判所はパクサスの再選出を認めなかったため、彼は今回の選挙に立候補できませんでした。これにより、大統領の座を争う新たな選挙が実施されることになりました。

主な候補者

今回の選挙には、以下の5名が立候補しました。

ヴァルダス・アダムクス：無所属。1998年から2003年まで大統領を務めた経験を持つ。
カジミラ・プルンスキエネ：農民新民主党連合党首。
ヴィリヤ・ブリンケヴィチューテ：新連合。
チェスロヴァス・ユルシェーナス：リトアニア社会民主党。
ペトラス・アウシュトレヴィチュス：無所属。

選挙制度

リトアニアの大統領選挙制度は以下の通りです。

選挙事由：大統領の弾劾。
選挙権：18歳以上のリトアニア国民。
被選挙権：40歳以上のリトアニア国民であり、過去に特定の組織（NKVD、NKGB、MGB、KGBなど）に勤務した経験がないこと。また、2万人以上の有権者の署名が必要です。
大統領の任期：5年（1回のみ再選可能）。
選挙方式：二回投票制。第一回投票で過半数の票を獲得した候補者がいない場合、上位2名による決選投票が行われます。

選挙結果

6月13日に行われた第一回投票では、ヴァルダス・アダムクスが最多の票を獲得し、カジミラ・プルンスキエネがそれに続きました。しかし、いずれの候補も過半数の票を得られなかったため、6月27日に上位2名による決選投票が行われました。

決選投票の結果、ヴァルダス・アダムクスがカジミラ・プルンスキエネを破り、大統領に再任されることとなりました。

今回の選挙は、大統領の弾劾という異例の事態を受けて行われたものであり、リトアニアの政治史においても重要な出来事として記録されています。また、欧州議会議員選挙も同時に行われたことも特筆されます。

もう一度検索