2004年欧州議会議員選挙 (リトアニア)

2004年リトアニア欧州議会議員選挙：EU加盟後の新たな一歩

2004年6月13日、リトアニア共和国において、欧州議会議員選挙が実施されました。これは、リトアニアが同年5月1日に欧州連合（EU）に加盟したことを受け、初めて行われた欧州議会議員選挙であり、同国のEUにおける政治参加の幕開けを告げる歴史的な出来事となりました。本稿では、この選挙の概要と結果について詳述します。

選挙制度と概要

この選挙では、リトアニアに13議席が割り当てられました。選挙権は18歳以上、被選挙権は21歳以上と定められ、議員の任期は5年でした。選挙制度は比例代表制を採用し、全国を一つの選挙区として扱いました。具体的には、非拘束名簿式最大剰余方式が用いられ、有効得票数の5%以上を獲得した政党のみが議席配分されました。有権者は、各政党または政党連合リストに1票を投じ、さらにそのリストの中から最大5名までの候補者を選考投票する仕組みでした。このシステムは、有権者の意思をより反映することを目指したものでした。

選挙結果と当選議員

選挙の結果、以下の13名が欧州議会議員に選出されました。彼らは2009年まで5年間、欧州議会においてリトアニアの代表として活動することになりました。

ライマ・アンドリキエネ (Laima Andrikienė): 祖国同盟
エウゲニユス・ゲントヴィラス (Eugenijus Gentvilas): 自由中道同盟
アロイーザス・サカラス (Aloyzas Sakalas): リトアニア社会民主党
マルガリタ・スタルケヴィチウーテ (Margarita Starkevičiūtė): 自由中道同盟
ギンタラス・ディジオカス (Gintaras Didžiokas): 農民新民主党同盟
ヨランタ・ディチクテ (Jolanta Dičkutė): 労働党
アルーナス・デグティス (Arūnas Degutis): 労働党
ロランダス・パヴィリオニス (Rolandas Pavilionis): 自由民主党 (2006年5月10日まで)
エウゲニユス・マルデイキス (Eugenijus Maldeikis): 自由民主党 (2006年5月19日から)
ユスタス・ヴィンツァス・パレツキス (Justas Vincas Paleckis): リトアニア社会民主党
シャルーナス・ビルティス (Šarūnas Birutis): 労働党
ダヌテ・ブドレイカイテ (Danutė Budreikaitė): 労働党
オナ・ユクネヴィチエネ (Ona Juknevičienė): 労働党
ヴィータウタス・ランズベルギス (Vytautas Landsbergis): 祖国同盟

当選議員の所属政党を見ると、労働党と自由中道同盟が複数名の議員を送り出していることがわかります。これは、当時リトアニアの政治情勢を反映していると言えるでしょう。また、パヴィリオニスとマルデイキスの任期途中交代は、政治状況の変化を物語る出来事でした。

結び

2004年リトアニア欧州議会議員選挙は、同国にとってEU加盟後の政治参加の第一歩であり、歴史的な意義を持つ選挙でした。この選挙の結果は、その後リトアニアのEUにおける政治的立ち位置や政策決定に大きな影響を与えたと考えられます。この選挙を理解することは、リトアニアの政治史、そしてEUの統合プロセスを理解する上で非常に重要です。今後の研究においては、各政党の選挙戦略や、選挙結果がリトアニア社会に与えた影響など、より詳細な分析が必要となるでしょう。

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