2007年のSUPER GT

2007年のSUPER GTシーズンの概要

2007年のSUPER GTは、3月17・18日に鈴鹿サーキットで幕を開け、11月3・4日に富士スピードウェイでシリーズを締めくくる形で、計9戦のレースが行われました。このシーズンはJGTC（全日本GT選手権）から数えて通算100戦目を迎える記念の年でもありました。

主な変更点

この年のSUPER GTでは、前年からの多くの変更が施されました。特に注目すべきは、レギュレーションにおける「特別性能調整」の廃止です。前年、この制度は公平な性能調整としての機能を果たさなかったため、撤回されることになりました。

また、新たに「ステップドボトム」が採用され、ボディ下面に厚さ30mmのスキッドブロックが取り付けられました。この改良により空力性能が制限され、特にコーナー進入時の車速が抑制されることになり、最低地上高は60mmに引き上げられました。

ポイント制度については、ドライバーズ・タイトルは引き続き有効ポイント制で争われることになりましたが、対象レースが「シーズン前半の6戦から上位4戦」の得点に見直されました。チームズ・タイトルはすべての9戦における得点が有効となり、完走チームにはその周回数に基づく「走行ラップポイント」が付与される形になりました。第6戦鈴鹿1000kmでのボーナスポイント制度が廃止され、全レースのポイントが統一されました。

ウェイトハンデ制も変更され、決勝のファステストラップに基づくウェイトハンデは廃止。さらに、最大積載量がGT500クラスで100kg、GT300クラスで80kgに引き下げられることが決定されました。

予選方式についても、第7戦ツインリンクもてぎでF1スタイルのノックアウト式を採用し、これまでのスーパーラップ方式からの変更が行われました。

GT500マシンの進化

GT500クラスでは、ニッサン陣営がフェアレディZをベースに、新型NAエンジンを搭載したマシンで競技しました。特筆すべきは、NISMO陣営が試験的に使用したフーガ用エンジンVK45DEを改良した4.5L V8エンジンの投入です。このエンジンの供給は第3戦から開始されました。

トヨタ陣営は前年まで使用していたスープラの代わりにレクサス・SC430を投入し、トムスやセルモを含む6台体制での参戦となりました。これにより、トヨタワークス車両の主力車両だったスープラが消滅しました。

ホンダ陣営では、新たに金石勝智がオーナーを務めるREAL RACINGチームがNSXを投入し、ワークスマシン5台体制となりました。REAL NSXは、終盤2戦での4Lエンジン搭載などの実験的な試みも行われました。

GT300とチームの動向

GT300では、前年度限りでNSXが撤退したため、これを使用していたチームは別の車両に変更するか、撤退を余儀なくされました。RACING PROJECT BANDOHが1台のみの体制でトヨタ・セリカを競わせましたが、車両火災や改造などのトラブルもありました。

この年は、ARTA・ガライヤが創立10周年を迎え、フルシーズン参戦を果たしました。一方、日産はGT300の基準車両をGT500向けに開発したホモロゲーションモデルであるType Eに変更しました。

新たなエントリーや撤退も見られ、アメリカ製のモスラー・MT900Rはこの年限りでの撤退が決まりました。

放送と運営

インターネット配信が無くなったことにより、視聴環境が変化しました。しかし、BSデジタル放送ではハイビジョン制作の録画番組が開始され、再放送も行われました。更に、SUPER GTを運営するGTアソシエイションは、組織改編を行い、委員長に坂東正明氏を迎え、新たに株式会社GTプロモーションを設立しました。

特徴的な取り組みとして、TOYOTA TEAM KRAFTは、機動戦士ガンダム00にちなんでマシン名に「00」を付け、ガンダムカラーに変更しました。

結論

2007年のSUPER GTは、数々の変更と進化を遂げたシーズンであり、特に競技規則の改定や各メーカーのマシンの進化が観戦者の注目を集めました。この年の経験が累積され、今後のシリーズに大きな影響を与えることとなりました。

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