2012年スロバキア国民議会選挙

2012年スロバキア国民議会選挙：政治的背景と結果

2012年3月10日、スロバキア国民議会の議員を全面改選する選挙が行われました。この選挙は、通常よりも早い時期に実施されることとなりました。

選挙の背景

選挙実施の背景には、欧州金融安定ファシリティ（EFSF）拡充案を巡る政局の動きがあります。2011年10月、国民議会でEFSF拡充案が可決されましたが、その裏で、最大野党「方向・社会民主主義」（SMER-SD）が、イヴェタ・ラジチョヴァー首相率いる与党に対し、総選挙の前倒しを要求。与党側がこれに応じたことで、2012年3月の選挙実施が決定しました。

選挙の基礎データ

選挙事由: 議会解散
投票日: 2012年3月10日
選挙権: 18歳以上のスロバキア国民
被選挙権: 20歳以上のスロバキア国民
議員任期: 4年（解散の場合あり）
選挙制度: 比例代表制（全国1選挙区）
拘束名簿式で、有権者は政党名簿から1つを選んで投票。優先投票も可能。
議席配分: 最大剰余方式（ドループ式）
議席阻止条項:
政党：有効投票の5％以上
政党連合：2～3政党で7％以上、4政党以上で10％以上
候補者名簿提出政党数: 26
候補者数: 2,967名

主要政党

選挙前、国民議会に議席を有していた主な政党は以下の通りです。

与党
スロバキア民主キリスト教連合・民主党（SDKU-DS）：中道右派
自由と連帯（Sloboda a Solidarita）
キリスト教民主運動（KDH）：中道右派
野党
方向・社会民主主義（SMER-SD）：中道左派
スロバキア国民党（SNS）：右派
モスト（MOST-HÍD）

選挙結果

選挙の結果、中道左派のSMERが単独で過半数（76議席）を超える議席を獲得し、圧勝しました。スロバキアが独立して以来、一党が単独で過半数を制したのは初めてのことです。一方、選挙前の与党第一党であったSDKU-DSは議席を大幅に減らす結果となりました。

参考文献

Voľby do Národnej rady SR, 2012
中東欧・旧ソ連諸国の選挙データ。北海道大学スラブ研究センター
ロイター通信

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