2013年ラグビーウェールズ代表の日本遠征

2013年6月、ラグビーウェールズ代表がミッドイヤーテストシリーズの一環として日本への遠征を実施しました。日本代表は、このウェールズ代表をホームに迎え、リポビタンDチャレンジと銘打たれた2戦のテストマッチに臨みました。

第1戦は6月8日、日本で最も歴史のあるラグビー専用スタジアムの一つである大阪の近鉄花園ラグビー場で行われました。そして第2戦は、6月15日に日本ラグビーの象徴的な存在である東京・秩父宮ラグビー場が舞台となりました。

ウェールズ代表がテストシリーズとして日本を訪れるのは2001年以来であり、単独のテストマッチで対戦するのは、ウェールズが72対18と大勝したラグビーワールドカップ2007フランス大会のプール戦以来のことでした。また、日本国内で日本代表が「ティア1」と呼ばれる世界の強豪国とテストマッチを行うのは、2006年のイタリア代表との試合以来となります。

この遠征シリーズが始まるまで、日本代表はウェールズ代表に対してテストマッチでの勝利を一度も収めたことがなく、過去の対戦成績は全てウェールズの勝利に終わっていました。しかし、シリーズの第2戦において、日本代表は歴史的な快挙を達成し、ウェールズ代表から初めてテストマッチでの白星を挙げたのです。

結果として、このテストシリーズはウェールズの1勝、日本の1勝という1勝1敗の引き分けで幕を閉じました。

試合の詳細

花園で行われた第1戦で敗れた後、日本代表を率いるエディー・ジョーンズヘッドコーチは試合を振り返り、チームの課題を厳しく指摘しました。「アタックでは多くのチャンスを作りながらも、それを自ら台無しにしてしまった。重要な局面での集中力も欠けていた。同じ過ちは繰り返してはならない」と語り、第2戦への強い決意を示しました。

その言葉通り、第2戦では日本代表が見違えるようなパフォーマンスを見せました。スクラムハーフの田中史朗が積極的にサイド攻撃を展開し、フォワード陣を前に押し出しました。特に後半に入ると、日本は連続攻撃からウェールズのディフェンスラインを崩し、フランカーのマイケル・ブロードハーストがトライを奪いました。さらに、センターのクレイグ・ウィングのトライとスタンドオフの五郎丸歩によるペナルティゴールも決まり、この試合で日本は合計23点を挙げました。守備面でも集中力を維持し、後半に許したトライはわずか1つに留めました。

両チームの状況

ウェールズ代表は、ウォーレン・ガットランドヘッドコーチとロブ・ハウリーコーチが同年のブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズのオーストラリア遠征に帯同していたため、ロビン・マクブライドが臨時ヘッドコーチとしてチームを指揮しました。遠征メンバーとして発表された27名には、後に怪我による変更があり、アーロン・シングラーとアシュリー・ベックに代わってジョシュ・ナヴィディとアダム・ウォーレンが招集されました。

一方、日本代表はエディー・ジョーンズヘッドコーチのもと、2013年のIRBパシフィック・ネイションズカップと合わせてウェールズ戦に臨む35名のスコッドが組まれました。シリーズ第1戦時点で、ウェールズからは7名、日本からは長江有祐がそれぞれテストマッチデビューを飾っています。

また、第2戦のキックオフボールプレゼンターはNEWSの加藤シゲアキが務めたことも特筆されます。

この2013年6月15日に行われた第2戦での勝利は、日本代表にとってウェールズ代表から挙げた初のテストマッチ勝利という、歴史に刻まれる一戦となりました。

（関連項目：リポビタンDチャレンジカップ2013）

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