2014 RC

小惑星2014 RC

小惑星2014 RCは、2014年9月7日協定世界時午後6時2分に地球へ最接近した地球近傍天体です。この接近は非常に近く、地球から約0.000267天文単位、これは月までの平均距離のわずか約0.1倍に相当する距離でした。

接近時の観測

最接近時の小惑星の明るさは視等級で11.5等級まで増光しましたが、これは肉眼や一般的な双眼鏡で観測できる明るさではありませんでした。天体望遠鏡を用いる必要がありました。このとき、小惑星は赤緯マイナス47度の位置にあり、主に南半球、特にニュージーランド上空で観測に適した条件となりました。

物理的特徴とサイズ

2014 RCの絶対等級は26.8と測定されています。小惑星のサイズは、その明るさ（絶対等級）と表面の反射率（アルベド）から推定されます。初期のアルベドに基づいた推定では、直径は11メートルから25メートルの範囲とされていました。しかし、NASAの赤外線望遠鏡施設による詳細な観測の結果、この小惑星はSq型という、比較的明るいケイ酸塩を主成分とする小惑星に分類され、そのアルベドは約0.24と結論付けられました。このより正確なアルベド値を用いて再計算された直径は、約12メートルと推定されています。

このサイズは、2013年にロシアへ落下し大きな被害をもたらしたチェリャビンスク隕石（突入前の直径約20メートル）の約半分に相当します。

過去と将来の軌道、衝突リスク

2014 RCは、2014年の接近よりも過去にも地球に比較的近くを通過しています。具体的には、1973年9月6日には、地球から0.00076天文単位から0.018天文単位の範囲を通過したとみられています。

将来の軌道予測によれば、この小惑星は今後100年間で地球に衝突するリスクはないと判断されています。実際、2014年9月5日の時点で、米航空宇宙局（NASA）ジェット推進研究所（JPL）が運用する「セントリー（Sentry）」と呼ばれる地球衝突リスク監視システムのリスクテーブルから削除されました。しかし、将来再び地球近傍を通過する予測があります。特に、2115年9月8日には月から約0.004天文単位（約60万km）の距離を通過すると予測されています。

2014年には、2014 RCよりもさらに地球に接近した小惑星も存在しました。例えば、2014 AAや2014 LY21は、2014 RCよりも近い距離を通過しています。一方で、2013年に地球へ約2万7千kmまで接近して話題となった小惑星2012 DA14は、2014 RCとほぼ同じ程度の距離を通過したと言えます。

2014年の接近による軌道変化

2014年の地球への接近は、2014 RCの軌道に顕著な影響を与えました。地球の重力によって軌道がわずかに変化し、その結果、小惑星の太陽の周りを公転する周期が、接近前の約600日から接近後の約549日へと短縮されました。また、軌道離心率（軌道の楕円の度合い）は減少し、軌道傾斜角（軌道面が太陽系の基準面から傾いている角度）は増加するなど、他の軌道要素にも変化が生じました。

2014 RCの接近は、地球近傍を通過する比較的小さな天体の軌道予測や物理的性質の研究に貴重なデータを提供しました。今後も、このような地球に接近する天体の監視は続けられていきます。

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