2015年1月ギリシャ議会総選挙

2015年1月 ギリシャ議会総選挙

2015年1月25日、ギリシャ議会の議員を全面改選するための総選挙が行われました。この選挙は、当時のギリシャが直面していた深刻な経済危機と緊縮財政政策に対する国民の不満を背景に、大きな注目を集めました。

選挙の背景

選挙の直接的なきっかけは、2014年12月29日の議会解散です。カロロス・パプーリアス大統領の後任を選出するための投票が議会で3回にわたって行われましたが、いずれも必要な賛成票数を獲得できず、アンドニス・サマラス首相が憲法の規定に基づき議会を解散し、総選挙を行うことを表明しました。

大統領選出に失敗した背景には、ギリシャが抱える債務問題と、それに対するEUやIMFからの厳しい財政再建要求がありました。緊縮財政政策は国民生活を圧迫し、失業率の上昇や社会不安の増大を招いていました。こうした状況下で、緊縮財政に反対する勢力が勢いを増していました。

選挙結果

選挙の結果、最大野党であった急進左派連合（SYRIZA）が、選挙前の議席を大幅に増やし、149議席を獲得して第1党に躍進しました。急進左派連合は、党首のアレクシス・ツィプラス氏の下、緊縮財政からの脱却と債務 renegotiationを訴え、幅広い層の支持を集めました。

一方、サマラス首相が率いる与党の新民主主義党（ND）は、76議席に留まり第2党に後退しました。連立政権を組んでいた全ギリシャ社会主義運動（PASOK）も議席を大きく減らし、政権運営能力への国民の不信感が浮き彫りとなりました。極右政党の「黄金の夜明け」は議席を減らし、反汚職を掲げる新党「ポタミ」（川）やギリシャ共産党（KKE）、独立ギリシャ人（ANEL）などが議席を獲得しました。

投票率は63.87%でした。

選挙後の影響

急進左派連合は、独立ギリシャ人と連立政権を樹立し、アレクシス・ツィプラス氏が首相に就任しました。ツィプラス政権は、EUやIMFとの間で債務問題の交渉を行いましたが、最終的には新たな緊縮策を受け入れざるを得ませんでした。しかし、この選挙は、ヨーロッパにおける緊縮財政政策に対する国民の不満を明確に示す出来事として、記憶されています。

各党の議席数

まとめ

2015年1月のギリシャ議会総選挙は、緊縮財政に対する国民の強い不満が示された選挙であり、ヨーロッパの政治情勢に大きな影響を与えました。選挙結果は、その後のギリシャの政治・経済に大きな変化をもたらし、ヨーロッパ全体におけるポピュリズムの台頭を促す一因となりました。

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