2024年中華民国立法委員選挙

2024年中華民国立法委員選挙

2024年1月13日、中華民国（台湾）において、国会に相当する立法院の立法委員を選出する選挙が行われました。この選挙は、総統選挙と同日に行われるダブル選挙となり、台湾の政治情勢に大きな影響を与える結果となりました。

選挙の概要

この選挙では、全113議席を争いました。内訳は、小[[選挙区制]]の区域立法委員が73議席、比例代表制の全国不分区及び僑居国外国民立法委員が34議席、そして原住民立法委員が6議席（平地原住民と山地原住民がそれぞれ3議席）となっています。

与党・民主進歩党の過半数割れ

総統選挙で当選した頼清徳氏が所属する与党・民主進歩党は、選挙前の62議席から51議席へと議席を減らし、過半数を割り込む結果となりました。これにより、与党は立法院での法案成立などで、野党との協力が不可欠となりました。

野党・中国国民党の躍進

一方、最大野党の中国国民党は、選挙前の37議席から52議席へと議席を伸ばし、第一党となりました。しかし、国民党も過半数には届かず、今後の政治運営は、他党との連携が重要となります。

台湾民衆党の台頭

前回選挙で5議席を獲得した台湾民衆党は、今回の選挙で8議席となり、躍進を遂げました。民主進歩党と中国国民党のいずれも過半数に届かなかったため、民衆党が議決におけるキャスティング・ボートを握ることとなりました。この結果は、台湾の政治に新たなダイナミズムをもたらす可能性があります。

選挙の経緯

台湾では、2012年以降、総統選挙と立法委員選挙が同日に行われています。今回の選挙では、同日選挙の是非が検討されましたが、過去の実施例や国民の認識を考慮し、同日選挙が決定されました。

選挙日の決定

選挙日は、中央選挙委員会によって2024年1月13日と決定されました。

法改正と啓発活動

総統副総統選挙罷免法の改正に伴い、欠格事由や選挙広告実名制、フェイク動画対策などの新しい制度が導入されました。中央選挙委員会は、これらの変更点を国民に周知するため、特設サイトを設置しました。

立候補の受付

2023年11月20日から24日にかけて、立法委員の立候補受付が行われました。審査の結果、区域立法委員309人、原住民立法委員19人、全国不分区及び僑居国外国民立法委員177人が立候補を認められました。

選挙運動

選挙期間は2024年1月3日から1月12日までの10日間と定められ、候補者たちは様々な選挙活動を展開しました。特に、改正された法律により、初めて政党による政見演説がテレビ、ラジオ、インターネットを通じて放送されました。

選挙データ

投票日

2024年1月13日

定数

113議席
区域：73議席
全国不分区及び僑居国外国民：34議席
原住民：6議席（平地3議席、山地3議席）

選挙制度

有権者：20歳以上の中華民国籍保持者
選挙制度：単一選区両票制（小[[選挙区比例代表並立制]]）
投票：2票制（選挙区候補と比例代表政党）
クオータ制：比例代表当選者の半分以上は女性候補

投票率

71.78％
区域：72.08％
平地原住民：58.25％
山地原住民：64.32％

選挙結果

党派別獲得議席

民主進歩党は51議席、中国国民党は52議席を獲得しました。台湾民衆党は比例代表で8議席を獲得しました。その他の政党は議席を獲得できませんでした。

比例代表の得票率

比例代表では、民主進歩党と中国国民党の得票率差が1.58%となり、前回選挙よりも差が拡大しました。しかし、最大剰余方式による議席配分の結果、両党とも13議席の獲得にとどまりました。

議席数の逆転現象

今回の選挙では、総得票数の多い民主進歩党の議席数が、総得票数の少ない中国国民党の議席数を下回るという、異例の結果となりました。

引退・不出馬

今回の選挙では、15名の現職議員が引退または不出馬を表明しました。民主進歩党からは9名、中国国民党からは4名、無所属からは2名の議員が、次期選挙に出馬しないことを決定しました。

民主進歩党

林昶佐（無所属で不出馬）、蔡適応、陳明文、余天、江永昌、劉世芳、何志偉、陳欧珀、趙天麟

中国国民党

林為洲、徐志栄、費鴻泰、廖国棟

無所属

黄国書、蘇震清

今後の展望

この選挙結果は、台湾の政治に大きな影響を与える可能性があります。民主進歩党は過半数を失い、中国国民党が第一党となりましたが、いずれも過半数には届かず、台湾民衆党がキャスティング・ボートを握る状況となりました。今後の政局は、各党の連携や協力が鍵となるでしょう。

この選挙の結果を注視していくことは、台湾の今後の政治を理解する上で非常に重要です。

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