2024年中華民国総統選挙

2024年中華民国総統選挙の概況

2024年の中華民国（台湾）では、総統と副総統を選ぶ選挙が1月13日に実施されました。この選挙は、選挙原則に基づく普通で平等なものであり、過去8回目の実施となります。さらに、今回の選挙は中華民国立法委員選挙とも同日に行われるダブル選挙として注目を集めました。

選挙の特徴

中華民国の憲法では、総統と副総統の任期は4年と定められており、再選は1度まで可能です。そのため、現職の蔡英文総統は立候補することができませんでした。このため、与党・民主進歩党の頼清徳が前総統の路線を継承することを強調しながら選挙に臨みました。選挙では、彼が中国国民党の侯友宜、そして台湾民衆党の柯文哲を破り、見事に初当選を果たしましたが、彼の当選率は過去2回の選挙に比べると過半数を下回る結果となりました。これは2000年の総統選以来、2回目のことです。

また、頼清徳が副総統としての経験を持つため、彼が総統に選出されるのは、1996年の直接選挙以来初めてのことでした。これまで、同じ政党が政権を維持するのは最大2期8年と考えられていたため、「8年魔咒」や「8年天花板」と言われていましたが、今回は初めて同一政党による3期連続政権となりました。

選挙制度

この選挙制度では、総統候補は副総統候補とともにペアで立候補する仕組みです。選挙権は台湾に6ヶ月以上居住した20歳以上の中華民国国民に与えられます。被選挙権については、同じく居住期間が6ヶ月以上で中華民国国籍を有する40歳以上が対象になりますが、大陸地域からの移住者や国籍を復帰した者は参加できません。

立候補にあたっては、直近の国政選で5％以上の得票を得た政党から推薦を受ける必要があります。また、公民連署による立候補も認められ、前回選挙の有権者数の1.5%（約29万人）の署名が必要とされ、この手続きも厳格に行われました。

選挙の経緯

この選挙は、総統、副総統と立法委員の任期が異なるため、同日選挙を行う検討が進められました。以前にも2012年、2016年、2020年に選挙が同日に実施された実績があるため、国民もこの取り組みに理解を示しました。その結果、中央選挙委員会の決議により、2024年も同日選挙が実施されることが決定されました。

立候補者

民進党からは頼清徳が唯一の候補者として立候補し、4月には候補者登録が行われました。また、永年の信頼を寄せる駐米大使・蕭美琴が副総統候補に選ばれました。

中国国民党では、侯友宜が予備選を勝ち抜き正式に候補者となり、趙少康が副総統候補に選ばれました。台湾民衆党では、柯文哲が自動的に党の候補者として選出され、呉欣盈が副総統候補に名を連ねました。

選挙結果

投開票の結果、民主進歩党の頼清徳が勝利を収めましたが、得票率は過去よりも大きく減少しました。負けた候補者たちもそれぞれ得票を落としましたが、特に柯文哲の票は他党から大きく奪ったものであり、その影響は顕著でした。特定地域では、第三勢力の台頭が見られ、特に新竹県ではその支持が目立ち、旧来の政治構図に新たな変化をもたらしました。

結論

2024年中華民国総統選挙は、国内の政治情勢に大きな影響を与えました。一方で、単一政党が長期的に政権を維持する中で、第三勢力がどのように成長するかが、今後の重要なポイントとなるでしょう。

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