500人広場

500人広場：歴史と交通の要所

500人広場（Piazza dei Cinquecento）は、イタリアの首都ローマの中心部に位置する広場です。ローマ・テルミニ駅の正面に広がり、ジョヴァンニ・ジョリッティ通り、マルサーラ通り、ヴィッラ・ペレッティ広場に囲まれています。この広場は、単なる交通の結節点としてだけでなく、ローマの歴史と深く結びついた場所でもあります。

広場の由来：ドガリの戦いの犠牲者

広場の名前の由来は、1887年に起きたドガリの戦いにあります。この戦いで、圧倒的な劣勢の中、命を落とした500人のイタリア軍兵士の犠牲を追悼するために「500人広場」と名付けられました。それ以前は、隣接するディオクレティアヌス浴場にちなんで「テルミニ広場」と呼ばれていました。かつてこの場所は、ディオクレティアヌス帝やシクストゥス5世が築いた人工の丘「Giustizia」でした。1860年から1878年にかけて、ローマ・テルミニ駅の建設に伴い、この丘は取り壊され、広場として整備されました。

オベリスクの変遷：ドガリからテルメへ

テルミニ駅前には、500人のイタリア軍兵士の犠牲者を追悼するため、サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会の敷地から発掘されたラムセス2世のオベリスクが設置されました。このオベリスクは「ドガリのオベリスク」と呼ばれていましたが、1924年の広場改修の際に、共和国広場との間にある小さな公園に移設されました。その後、ディオクレティアヌス浴場にちなんで「テルメ・オベリスク」と呼ばれるようになりました。

広場周辺の歴史的建造物

広場の北端、マルサーラ通り沿いには、古代ローマ時代のセルウィウス城壁の一部が残っています。また、広場の北西側には、306年に建設されたディオクレティアヌス浴場の遺跡があり、現在はサンタ・マリア・デッリ・アンジェリ・エ・デイ・マルティーリ聖堂やローマ国立博物館の分館として利用されています。さらに、広場の南西側には、ローマ国立博物館の本館であるマッシモ宮が位置しています。

アクセス

500人広場は、ローマの主要な交通の拠点であり、以下のような交通手段でアクセスできます。

イタリア鉄道： ローマ・テルミニ駅
ローマ地下鉄： A線、B線 テルミニ駅、レプッブリカ駅
ATACトラム： 5系統、14系統 テルミニ停留所
ATAC軽便鉄道： ローマ＝ジャルディネッティ線 ローマ・ラツィアリ駅より北西へ約500m
* ATAC： テルミニ・バスターミナル（広場の南西側半分）

500人広場は、その歴史的な背景と交通の利便性から、ローマを訪れる人々にとって重要な場所となっています。

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