580年代

580年代の歴史

580年代は、西暦580年から589年までの10年間を指します。この時代は、東アジアを中心に大きな変動が見られた時期です。

東アジアの動向

中国では、581年に楊堅が北周を滅ぼして隋を建国し、589年には南朝の陳を滅ぼして中国を統一しました。これにより、長く続いた分裂の時代が終わり、新たな統一王朝が誕生しました。

日本では、580年代は仏教の受容を巡って大きな動きがありました。580年代初頭には新羅からの調を朝廷が拒否しましたが、584年には蘇我馬子が日本で最初の尼僧を出すなど、仏教の普及が進みました。しかし、585年には物部守屋が仏教を弾圧する事件が起こりました。その後、587年には物部氏と蘇我氏の間で武力衝突が起こり、蘇我氏が勝利したことで、仏教受容の流れが決定づけられました。また、588年には百済から仏舎利が献上され、本格的な伽藍である法興寺（飛鳥寺）の建設が始まりました。

朝鮮半島では、新羅が朝廷に調を献上しましたが、受け入れられませんでした。また、任那復興のために、火葦北国造の子である日羅が百済から召喚されました。

その他の地域

東ローマ帝国では、582年にティベリウス2世に代わってマウリキウスが皇帝に即位しました。また、580年頃にはスラブ人が北ギリシアに侵入するなど、周辺地域で民族移動や紛争が起きていました。

年ごとの詳細

580年: スラブ人が北ギリシアに侵入。新羅が調を献上するが、朝廷は拒否。
581年: 中国で楊堅が隋を建国。蝦夷の首長が朝廷に服属を誓う。
582年: 東ローマ帝国でマウリキウスが皇帝に即位。新羅が調を献上するが、朝廷は拒否。
583年: 突厥が東西に分裂。任那復興のため、日羅が百済より召喚。蘇我馬子が仏殿を造る。
584年: 蘇我馬子が善信尼らを出家させる。新羅に難波吉土木連子を派遣。
585年: 蘇我馬子が塔を建立。物部守屋が塔と仏殿を焼き、仏像を捨てる。敏達天皇が死去し、用明天皇が即位。
586年: 穴穂部皇子が物部守屋に三輪君逆を殺害させる。
587年: 用明天皇が仏教に帰依しようとするが、物部守屋らが反対。物部守屋と蘇我馬子が対立し、蘇我氏が勝利。崇峻天皇が即位。
588年: 百済から仏舎利が献上され、法興寺の建設が始まる。蘇我馬子が善信尼らを百済に留学させる。
589年: 中国で隋が陳を滅ぼして中国を統一。

まとめ

580年代は、東アジアを中心に大きな政治的、社会的な変動が起こった10年間でした。特に、中国における隋の建国と統一、日本における仏教受容を巡る動きは、その後の歴史に大きな影響を与えました。この時期の出来事は、後の時代への重要な転換点となりました。

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