7.5cm FK 16 nA

7.5cm FK 16 nA

7.5cm FK 16 nA（ドイツ語: 7,5 cm Feldkanone neuer Art）は、ナチス・ドイツが第二次世界大戦中に使用した野砲です。この名称の「neuer Art」は「新型」を意味し、改良された砲の特徴を表しています。

概要

この砲は、第一次世界大戦の際にドイツ帝国陸軍の主力として活躍した7.7cm FK 16を基に設計されています。第二次世界大戦が始まる前の1930年代初期、ドイツ国防軍は75mm砲弾に適した新しい砲身を採用し、それを用いて7.5cm FK 16 nAが生まれました。

第一次世界大戦後、ドイツはヴェルサイユ条約によって重火器の保有を制限されましたが、既存の砲を極秘に倉庫に保管していたため、これを活用する形で新たな野砲を開発することができました。この取り組みは、国際社会の制約を逃れる形での技術的な進化を目指したものといえます。

運用と戦術

第二次世界大戦におけるドイツ軍は、対戦車戦術として主に88mm高射砲を使用する意向を持っていたため、野砲を対戦車用として運用する戦略は採っていませんでした。特に、ソ連赤軍や日本軍のように、野砲を戦車に対抗するための武器として活用する考え方はなく、むしろ師団砲兵部隊には10.5cm leFH 18や15cm sFH 18といった大口径の砲を配備する方針を採っていました。このことから、75mm口径の野砲である7.5cm FK 16 nAの戦闘における利用頻度は低かったと言われています。

スペック

7.5cm FK 16 nAの主要な仕様は次の通りです：

• - 口径: 75mm
• - 全長: 2.7m
• - 重量: 1,524kg
• - 砲身長: 2,036mm（36口径）
• - 仰俯角: -9°から+44°
• - 左右旋回角: 4°
• - 運用要員: 定員に関する詳細は明記されていません
• - 発射速度: 最大の発射速度は情報が欠如しております
• - 射程: 12,300m

このように、7.5cm FK 16 nAは他の重火器と同様に高い技術力を反映した兵器ではあるものの、その運用戦略が異なったために、主に師団内での役割に留まることとなりました。

関連項目

この砲と関連する技術や兵器には、改造三八式野砲（大日本帝国）や、M1902/30 76mm野砲（ソビエト連邦）などがあります。これらの砲は戦争の様相を大きく変えていった武器であり、技術革新の重要な側面を表しています。

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