890年代

890年代は、西暦890年から899年までの10年間を指す時代です。この時代は、東アジアやヨーロッパにおいて、政治・社会的に大きな変動が見られました。以下に、その主な出来事をまとめます。

日本

891年: 宇多天皇が、菅原道真らを登用し、国政改革に着手しました。この改革は、後の政治に大きな影響を与えました。
894年: 日本は、長らく続けてきた遣唐使を廃止しました。これにより、唐との直接的な交流は終わりを迎え、日本独自の文化が発展していくことになります。
895年: 東国で、7年間に及ぶ大規模な群盗蜂起（寛平・延喜東国の乱）が勃発しました。この反乱は、当時の政治体制に対する不満の表れであり、社会の不安定さを示すものでした。
897年: 宇多天皇が位を醍醐天皇に譲り、第60代醍醐天皇が即位しました。
899年: 藤原時平が左大臣に、菅原道真が右大臣に就任しました。しかし、両者の対立が激化し、後の政争へと繋がっていきます。

朝鮮半島

892年: 朝鮮半島では、甄萱が完山（全州）に後百済を建国しました。これにより、新羅は分裂への道を歩み始め、三国時代が再来する形となりました。

ブルガリア

893年: ブルガリアでは、シメオン1世が皇帝（ツァール）に即位しました。シメオン1世の治世下で、第一次ブルガリア帝国は全盛期を迎え、東ヨーロッパにおける重要な勢力となりました。

アッバース朝

892年: アッバース朝は、一時的に遷都していた場所から、再びバグダードに都を戻しました。これは、アッバース朝の勢力回復を示す出来事でした。

その他

* 896年: ハンガリーに、騎馬民族であるマジャール人が定住しました。彼らは、その後の中央ヨーロッパの歴史に大きな影響を与えることになります。


このように、890年代は、世界各地で様々な出来事が起こった激動の時代でした。特に日本では、遣唐使の廃止という大きな転換点を迎え、国内では政治的な対立や社会不安が表面化しました。また、東アジアでは、新羅の分裂という大きな変動が起こり、新たな勢力が台頭する兆しが見られました。これらの出来事は、後の歴史に大きな影響を与えることになります。

この10年間は、それぞれの地域で異なる歴史の展開を見せており、世界史を考察する上で非常に重要な時代と言えるでしょう。

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