AGS-30

AGS-30 自動擲弾銃の概要

AGS-30（АГС-30）は、ロシア連邦で開発された自動擲弾銃で、AGS-17をもとにした改良型です。この武器は、GRAUインデックス6G25（6Г25）を持ち、戦場においてその有用性が踏襲されています。特に、AGS-17はアフガニスタン紛争でその強力な火力を誇示しましたが、重量が31kgに達し、運用時の機動性に課題がありました。

開発の経緯

1990年代前半、トゥーラ器械製造設計局はAGS-30の改良に着手し、1999年にはコヴロフ市のデグチャレフ工場での量産が開始されました。この改良では、歩兵が容易に運用できるよう、携行性と機動性が重視されました。その結果、AGS-30は軽量化され、弾薬を装填しない状態での重量はわずか16kgとなっています。従前のAGS-17と比較すると約半分の重量で、より取り扱いやすい兵器となっています。

構造と機能

AGS-30はAGS-17と同じ基本的な構造と操作を踏襲していますが、いくつかの重要な特徴があります。弾薬は、従来のVOG-17に加え、改良型のVOG-17Mと新開発のVOG-30も使用でき、これらを30発装填可能なドラムマガジンに収納可能です。AGS-30の弾数が最大で30発ですが、構造上の理由から実際に射撃可能な弾数は29発となる点はAGS-17と共通しています。

作動方式はブローバック式で、連射モードのみの運用となります。また、光学照準器が標準装備されているため、狙いを定めることが容易です。さらに緊急時用の折り畳み式アイアンサイトも装備しています。射撃時に射手が保持する握把は、レシーバー本体ではなく三脚架に取り付けられており、トリガーは右の握把位置に配置されています。このデザイン変更により、射手の安定性が向上しています。

運用状況

AGS-30はロシア連邦軍およびロシア国内軍によって使用されており、その実戦能力は高く評価されています。軽量で扱いやすい性質から、様々な場面での応用が期待されています。

ゲームにおける登場

AGS-30は多くのゲーム作品にも登場しています。特に『ARMA 2』ではプレイヤーやAIが操作できる武器として、リアリティのある戦闘シーンが再現されています。また、『コール オブ デューティ ブラックオプス』では、CIAが鹵獲したボートに装備されているという設定で登場しており、時代設定が1960年代のため本来は存在しませんが、その面白さが魅力となっています。さらに、『Escape From Tarkov』といった作品でも、その存在感が発揮されています。

参考文献と関連項目

この自動擲弾銃に関する情報は、床井雅美の『現代サポート・ウェポン図鑑』に詳述されています。また関連項目には、自動擲弾銃の他にAGS-17やMk.19、96式40mm自動てき弾銃などが挙げられます。装備としてのAGS-30は、現代の戦闘において重要な役割を果たす兵器の一つです。

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