AN/AVQ-26

AN/AVQ-26 ペイブ・タック

AN/AVQ-26 ペイブ・タックは、アメリカ合衆国のフォード・アエロスペースによって開発された照準ポッドであり、AN/AVQ-10 ペイブ・ナイフの後継として位置付けられています。ペイブ・タックは、F-4EやRF-4C、F-111といった航空機に搭載され、これらの機体の攻撃能力を飛躍的に向上させました。

設計と性能

ペイブ・タックは、その開発時期においてほぼ同時に設計されたAN/ASQ-153 ペイブ・スパイクと比較すると、重量が約3倍の1,300ポンド（590 kg）に達しています。しかし、これにより性能が大幅に向上しており、赤外線画像による目標識別機能やレーザー照射・測距・追尾機能を兼ね備えているため、レーザー誘導爆弾を用いた精密爆撃が可能になります。また、航法支援としての役割や赤外線画像を使った偵察にも活用されます。

主な使用例

1986年8月15日に行われたリビア爆撃、通称エル・ドラド・キャニオン作戦では、イギリスのレイクンヒース空軍基地から出撃したF-111Fによりペイブ・タックとレーザー誘導爆弾が使用されました。この作戦では、リビアの指導者ムアンマル・アル＝カッザーフィーの居宅が爆撃され、意図的に抹殺を試みましたが、実際にはカッザーフィーは外出中であったため、任務は失敗に終わりました。

その後の1991年の湾岸戦争においても、ペイブ・タックはF-111Fに搭載され、レーザー誘導爆弾を使用した精密攻撃に重要な役割を果たしました。この期間に、2,000ポンドの誘導爆弾で橋脚や堅固な格納庫などの戦略上重要な目標を攻撃し、さらに500ポンドの誘導爆弾を使用してイラク軍の機甲部隊に対する攻撃も実施されました。これらの活動により、ペイブ・タックは精度の高い攻撃を実現し、戦局に大きな影響を与えました。

関連情報

照準ポッドとしてのペイブ・タックの役割とその歴史的背景を理解することは、現代の軍事技術の発展を探る上でも重要です。AN/ASQ-153 ペイブ・スパイクという同時期に開発された別の照準ポッドや、後続のLANTIRNおよびLITENINGなどのシステムとの関連性も多くの研究者の興味を引いています。

結論

AN/AVQ-26 ペイブ・タックは、アメリカ合衆国による航空攻撃能力の向上に寄与した重要な装備であり、その先進的な技術は現代の航空照準システムにおける基盤を築くものでした。これにより、戦闘機はより効果的な任務を遂行することが可能となり、制空権の確保や敵に対する優位性の確立に貢献しました。

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