AOL Instant Messenger(AIM)は、アメリカの
AOLが提供していた
インスタントメッセンジャーサービスです。1997年
5月にサービスを開始し、当初は
AOLのユーザーを中心に利用が広がりました。日本語版は
1998年12月にリリースされ、日本でも多くのユーザーを獲得しました。
概要
AIMは、テキストメッセージの送受信だけでなく、ファイルの転送機能も備えていました。当時、MSN MessengerやYahoo! Messengerと並ぶ主要な
インスタントメッセンジャーの一つとして、多くのユーザーに利用されていました。最盛期には、Windows、macOS、iOS、Androidといった主要なプラットフォームで公式クライアントが提供されており、互換クライアントを利用すれば
Linuxなどの環境からもアクセスできました。また、Webブラウザからも利用可能でした。
利用には、
AOLの
アカウントまたはスクリーンネーム、あるいは.Macの
アカウントが必要でした。
AOLは、
ICQネットワークも運営していたため、かつては
ICQクライアントとのメッセージ交換も可能でした。しかし、
AOLの事業を運営していたVerizon Communicationsの子会社Oathが、2017年10月6日に同年
12月15日(米国時間)をもってサービスを終了することを発表し、予定通りサービスは終了しました。
OSCARプロトコル
AIMでは、OSCARと呼ばれる独自のプロトコルが採用されていました。このプロトコルは原則的に非公開でしたが、多くの開発者が独自に解析し、互換クライアントを開発しました。当初、
AOLはこれらの
サードパーティー製ソフトウェアによるアクセスを「クラッキング」とみなし、アクセスを遮断するなどの厳しい措置を講じていました。しかし、2004年以降は互換クライアントのアクセスを遮断するような動きは見られなくなりました。
AppleのiChatのAIM対応は、
AOLから公式に承認されており、公式な実装が使用されていました。2006年3月にはOpen AIMのSDKが提供され、2008年3月には仕様の一部が公開されました。しかし、互換クライアントの開発者は、依然として独自に仕様を解析し実装しているようです。オープンソースの互換クライアントも多数存在し、その
ソースコードを読むことでOSCARプロトコルの詳細を知ることができます。
以下はOSCARプロトコルと互換性のある主な
サードパーティー製クライアントです。
Adium
BSFlite
Kopete
Miranda IM
Pidgin (旧称:Gaim)
Trillian
TOC (Talk to OSCAR)プロトコル互換
TerraIM
TNT(Emacs 版)
関連項目
チャット
インスタントメッセンジャー
AIM Mail
外部リンク
*
AIM.com(英語版)