ASSAULT GIRLS

『ASSAULT GIRLS』

2009年12月19日に公開された日本の実写映画『ASSAULT GIRLS』（アサルト・ガールズ）は、アニメーション界の巨匠として知られる押井守が脚本と監督を務めた作品です。

概要

本作は、押井監督にとって、2001年のSF映画『アヴァロン』以来、およそ8年ぶりとなる実写長編映画です。その世界観は前作『アヴァロン』と同一とされており、荒廃した近未来を舞台にしたオンラインゲーム空間が描かれます。一方、ビジュアルスタイルにおいては、監督が手がけた短編オムニバス作品『真・女立喰師列伝』の一編である『ASSAULT GIRL ケンタッキーの日菜子』から強い影響を受けており、特に佐伯日菜子が演じたキャラクター「カーネル」の造形や一部のCG映像などは、本作にほぼそのまま引き継がれて使用されています。

押井監督自身は、本作の制作意図について非常に特徴的なコメントを残しています。彼は「この映画には物語の中身など意図的に排除した。ひたすら出演する女優たちをいかに美しく映像に収めるか、そこに全力を注いだ。これこそが実写映画の監督としてあるべき正しい姿勢だと考えた」と語っており、従来の物語主導のアプローチとは異なる、ビジュアルとキャラクター描写に特化した作品であることを示唆しています。

作中には、著名な漢字研究家である白川静の著書『文字逍遥』からの引用と思しき文章が取り入れられています。これらの文章は、作品の世界観に溶け込むよう文語体へと改変され、物語に深みを与えています。また、撮影手法においては、一部の映像に民生用のAVCHD規格が用いられている点も技術的な特色として挙げられます。

加えて、公開当時は無料オンラインゲーム『クロスファイア』とのタイアッププロモーションも実施され、ゲームと映画双方のファン層へのアピールが行われました。

ストーリー

物語の舞台は、終末的な様相を呈した荒廃した大地が広がる近未来。プレイヤーたちは、巨大で危険なモンスターが跋扈するオンラインゲーム「アヴァロン(f)」に参加しています。このゲームでは、多くのプレイヤーがソロ（単独）でモンスター狩りを行い、レベルアップを目指しています。中でもクラスAに属するプレイヤーたちは、ゲーム内の最終目標である強大なモンスター「マダラ」の討伐を目標としています。

主人公となるのは、ルシファ、グレイ、カーネル、イェーガーという4人の凄腕ソロプレイヤーたちです。彼らはそれぞれ孤独に戦いを続けていますが、巨大なマダラを単独で倒すことは極めて困難であり、非効率的であるという現実に行き詰まりを感じています。そこで、ゲームを管理するゲームマスターから、お互いに協力し合い、パーティーを組んでマダラ討伐に挑むことを勧められます。

果たして、一匹狼として生きてきた個性的な4人は、共に戦う道を選び、強大なマダラを打ち倒すことができるのか。そして、マダラ討伐の先に待つ、より上位のクラスAプラスへの昇格を果たすことはできるのか。物語は、彼らの共闘と、それぞれの思惑が交錯する戦いを描いていきます。

スタッフ・キャスト

本作の制作には、押井守監督（脚本兼任）を中心に、多くの著名なクリエイターが参加しています。音楽は、押井作品には欠かせない存在である川井憲次が担当し、独特の世界観を音で表現しています。音響監督は若林和弘が務め、主題歌は歌手のKOTOKOによる「SCREW」が採用されました。

主要キャストとしては、ルシファを菊地凛子、グレイを黒木メイサ、カーネルを佐伯日菜子、イェーガーを藤木義勝がそれぞれ演じ、ゲームマスターをイアン・ムーアが担当しています。個性豊かな俳優陣が、荒廃した世界を生きるキャラクターたちを演じました。

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