AudioEngine

Audio Engineとは

Audio Engineは、ヤマハが手掛けた携帯電話やPHS用のオーディオプロセッサLSIであり、その名はMA-7としても知られています。この技術は、モバイルデバイス用に特化されており、音楽や映像コンテンツの再生において優れた音質を実現します。具体的には、ハイブリッドシンセサイザーや低消費電力のClass-Dアンプ、高品位サウンドプロセッサといった複数の機能を組み合わせた設計です。現代の多様なメディアプレイバック要求に応えるため、Audio Engineは高品質な音楽体験を提供します。

Audio Engineの基本構成

ハイブリッドシンセサイザー

この部分はFM音源とWaveTable音源を同時に利用する方式が採用されています。これはヤマハが過去から得意としている技術であり、YMU762やYMU765といった電子楽器でも使用されてきました。また、Mobile-XMFやSMAFフォーマットにも対応しており、柔軟性があります。

低消費電力Class-Dアンプ

Class-Dアンプは他のアンプに比べて電力効率が高く、特に携帯端末においては非常に重要です。このアンプ技術により、高出力かつ低消費電力での動作を可能にしています。

高品位サウンドプロセッサ

音源再生時に欠落する音を補完し、さらにはノイズを減少させる能力を持つため、音質の向上に寄与します。これは原音忠実度を追求した結果の機能です。

多機能エフェクター

Audio Engineには50種類のエフェクトが搭載されており、音響効果を多様に調整することができます。これにより、リスナーは自分好みの音質を楽しむことができます。

主要機能の詳細

128和音対応

Audio Engineは最大128和音をサポートしているため、より豊かで深みのある音楽表現が可能です。

3Dポジショニング機能

この機能は、音を仮想的に3D空間で配置するもので、聞き手に立体的な音の体験を提供します。例えば、NTTドコモのDoJa APIを活用し、最大6つの仮想音源を置くことができます。

サラウンド機能

ヘッドフォン使用時においても、音質のリアリティを損なわず、奥行きや広がりある音場を実現します。13種類のサラウンドモードがプリインストールされています。

イコライザ機能

音楽ジャンルに応じたイコライザが15種類揃っており、リスナーは好みに応じた音質調整が容易に行えます。

ボーカルキャンセル機能

この機能によってボーカル音声を除去し、インストゥルメンタル版の楽曲を楽しむことができます。エフェクト機能の一部として使用されます。

対応機種

Audio Engineは、さまざまな携帯端末に搭載されており、主なメーカーとしてはNTTドコモ、au（KDDI）、ソフトバンクなどがあります。具体的な機種には、NEC製のN902iやFOMA、LG製のL704i、auのCDMA 1X WIN搭載端末、ウォークマンケータイなど様々です。これらの端末は、Audio Engineの高性能なオーディオ機能によって、ユーザーに新たな音楽体験を提供しています。

携帯電話の歴史的役割

Audio Engineの登場は、電話機能だけでなく、音楽や映像を楽しむためのデバイスとしての携帯電話の歴史において重要な出来事です。ユーザーにとって、電話はもはや単なる通信手段ではなく、日常生活の一部として音楽やエンターテインメントの源となっています。

このように、多機能で高性能なAudio Engineは、携帯電話の音質を革新し、充実したエンターテインメント体験を可能にするものです。

もう一度検索