CDMA 1X

CDMA 1Xとは

CDMA 1X（シーディーエムエーワンエックス）は、[KDDI]]と沖縄セルラー電話がauブランドで展開していた、日本国内向けの第3世代[[携帯電話]サービスです。通称「1X」と呼ばれていました。cdmaOneの後継サービスとして、当時のauの業績回復の起爆剤となりました。

サービス開始と発展

2002年 4月1日にサービスを開始しました。当初は三大都市圏での開始が予定されていましたが、インフラ側の開発遅延により半年ほど遅れてのスタートとなりました。
CDMA2000 1xMC方式を採用し、従来のcdmaOneとの互換性を持ちながら、より高速なデータ通信を可能にしました。サービス開始当初から、cdmaOneと合わせたサービスエリアは人口カバー率100%を達成し、利用者数を順調に伸ばしました。

auの業績回復に貢献

当時、加入者数で伸び悩んでいたauは、CDMA 1Xの成功により、J-フォン（現ソフトバンク）を追い抜き、再び業界2位の地位を確立しました。サービス開始と同時に、ezmovie、eznavigation、ezplusなどの次世代サービスも開始されましたが、当初は目立った成果を上げることができませんでした。しかし、2002年秋以降、「フォトメール」「ムービーメール」「着うた」などの人気サービスを次々と投入し、利用者の増加を加速させました。

上位サービスとサービス終了

2003年11月には、上位サービスであるCDMA 1X WINが開始されました。当初は特殊ニーズ向けと位置付けられていましたが、2004年夏頃からは主力サービスとして展開されるようになりました。CDMA 1X向けの新サービスや高機能端末の投入は減少し、児童向け、女子児童向け、携帯初心者向け、高齢者向けなどのニッチ市場向けの製品が増加しました。

2012年7月22日には、CDMA 1X WINへの移行に伴い、CDMA 1Xのサービスは終了しました。しかし、一部の業務用通信モジュールとau 4G LTE/au VoLTE/au 3G対応個人向けフィーチャーフォン（GRATINA 4G KYF34）では、例外的に利用可能です。

技術的な特徴

CDMA 1Xは、CDMA2000 1xMC方式を採用しており、cdmaOneとの互換性を持っています。従来のcdmaOneの基地局を利用できるため、サービスエリアを早期に拡大することができました。また、cdmaOneとCDMA 1Xを合わせたサービスエリアは、開始当初から人口カバー率100%を達成しました。

端末

CDMA 1X端末は当初、A1000番台とA3000番台の2シリーズ体制で展開されました。A1000番台はシンプルな端末、A3000番台は高機能な端末という位置づけでした。2002年秋以降に投入された端末は、原則としてカメラを内蔵しています。ムービーメールや着うたなどのサービスが開始されてからは、ほぼ全ての端末がEZムービーに対応しました。2003年には、ハイエンド端末向けにEZナビウォークが開始され、対応端末にはA5500番台が割り振られました。

年表

2002年 4月1日：CDMA2000 1Xサービス開始。
2002年6月23日：契約数100万突破。
2002年12月3日：着うたサービス開始。
2003年1月16日：契約数500万突破。
2003年 2月：初のBREW対応端末「A5304T」発売。
2003年7月1日：サービス名をCDMA2000 1XからCDMA 1Xに改称。ezplus、BREWのサービス名を「EZアプリ」に統合。
2003年10月：EZナビウォークサービス開始。INFOBAR発売。
2003年9月16日：契約数1000万突破。
2003年 11月28日：上位サービスのCDMA 1X WIN開始。
2009年8月9日：新規契約者の減少を理由にCDMA 1Xサービスの新規受付を終了。
2012年7月22日：CDMA 1Xサービス終了。
2012年11月2日：CDMA 1X WINと統合されサービス名を「au 3G」に改称。

呼称

サービス開始当初は、先行するFOMAに見られた買い控えを避けるため、あえて「次世代」という言葉を前面に出していませんでした。カタログ等でも、従来の通信方式名である「cdmaOne」をそのままブランド名として使用していました。一般ユーザー向けに「CDMA2000 1x」の名が大きく扱われるようになったのは、2002年9月の総合カタログが最初でした。その後、「CDMA2000●1X」という表記が半ばブランド名として扱われるようになり、最終的に「CDMA 1X」という名称に落ち着きました。

新規受付終了

2009年8月9日には、CDMA 1Xの新規契約受付は終了しました。これは、上位サービスであるCDMA 1X WINが普及したことや、CDMA 1X対応端末の製造が終了したことが主な理由です。2012年7月22日には、L800MHz帯を使用したCDMA 1Xのサービスが終了し、10年3ヶ月の歴史に幕を下ろしました。