N902i

FOMA N902i：進化した機能とデザインが魅力の折りたたみ型携帯電話

NECがNTTドコモ向けに開発した第三世代携帯電話（FOMA）端末、N902iは、2005年11月18日に発売されました。N901iSを継承した折りたたみ式デザインが特徴で、インディゴブルー、シャンパンオレンジ、ミスティラベンダー、ダークワインの4色のカラーバリエーションが用意されていました。

高画質カメラと便利な機能

N902iの大きな特徴は、進化したカメラ機能です。背面にはスーパーCCDハニカムを搭載し、有効画素数は200万画素に向上。400万画素相当の高精細な画像撮影が可能になり、さらにデジタル画像処理による手ぶれ補正機能も追加されました。テレビ電話用の内側カメラも有効画素数33万画素のCMOSに変更され、画質の向上が図られています。

ディスプレイは2.5インチのモバイルシャインビューEX液晶（QVGA+ TFT）を採用。明るく見やすい画面を実現しています。ボタンデザインも改良され、暗所ではオレンジ色に発光するようになっています。

使いやすさも追求されており、ニューロポインターに加え、背面液晶上部には「アシストキー」が搭載されました。このアシストキーは、メールの読み上げや不在着信の確認などを可能にするだけでなく、LEDによる着信ランプとしても機能します。さらに、底面にはiモードFeliCaが搭載され、新しいサービス「トルカ」にも対応していました。

豊富なプリインストールアプリ

N902iには、ACCESS製のフルブラウザであるNetFrontに加え、iアプリとして『ドラゴンクエストII』（前編）と競馬シミュレーションゲーム『ダービースタリオン』がプリインストールされていました。当時人気の高いゲームが楽しめるのは大きな魅力でした。

発売からサポートまで

N902iは、2005年9月13日にJATE（電気通信端末機器審査協会）の審査を通過し、同年10月19日にD902i、F902i、P902i、SH902i、SO902iと共に開発が発表されました。発売後には、女優の上原多香子さんを起用した「Nを探せ」キャンペーンが展開されました。

その後、2006年にはマイナーチェンジモデルのN902iS、HSDPA対応のN902iX HIGH-SPEED、企業向けマイナーチェンジモデルのN902iLが発表されています。

不具合とソフトウェア更新

発売後、N902iではバッテリーの消費が過剰になる不具合や、ミュージックプレイヤーとTV電話の同時使用時の液晶表示異常、メール読み上げ機能とニューロポインター使用時の再起動といった不具合が報告されました。これらの不具合は、ソフトウェア更新によって対処されました。

まとめ

FOMA N902iは、高画質カメラ、便利なアシストキー、そして人気のゲームアプリなど、当時としては先進的な機能を備えた魅力的な携帯電話でした。発売からしばらくの間、多くのユーザーに利用され、ソフトウェア更新による不具合修正にも対応することで、長く愛された機種と言えるでしょう。

もう一度検索