SMAF

SMAF (Synthetic music Mobile Application Format) について

SMAF（Synthetic music Mobile Application Format）は、ヤマハが開発した携帯電話向けの音声ファイルフォーマットです。主に、au（KDDI／沖縄セルラー電話連合）、ソフトバンクモバイル、イー・モバイルなどの、ヤマハ製MAシリーズ音源チップ搭載の携帯電話で利用されていました。

拡張子は「.mmf」です。

SMAFの特徴

SMAFは、SMF（Standard MIDI File）のような演奏情報に加え、PCMやADPCMといった波形データを含むことができます。これにより、単なるメロディだけでなく、より豊かな音色や効果音を表現することが可能です。

さらに、拡張仕様として、文字や画像などの情報を含めることもできます。この機能により、音楽データだけでなく、歌詞やジャケット画像などを同時に表示するマルチメディアコンテンツを定義することが可能でした。

主な用途

SMAFは、主に以下の用途で利用されていました。

着信メロディ: 携帯電話の着信音として、メロディだけでなく音声も加えることができました。これにより、より個性的で楽しい着信音を設定することが可能になりました。
音声データ: 音楽データだけでなく、人の声や効果音などを記録し、再生することができました。
携帯電話用カラオケデータ: 音楽データに合わせて歌詞を表示するカラオケデータとして利用されました。携帯電話で手軽にカラオケを楽しむことができました。

歴史

SMAFは、技術の進歩と共に進化を遂げてきました。

1999年: MA-1が登場。最大4音のFM音源をサポートしていました。
2000年: MA-2が登場。最大16音のADPCMをサポートし、音質が向上しました。
2001年: MA-3が登場。最大40音のWaveTable音源をサポートし、さらに表現力が豊かになりました。
2003年: MA-5が登場。最大64音のAL（Analog Lite）音源、HV（Humanoid Voice）をサポートし、より高度な表現が可能になりました。
2005年夏: MA-7が登場。最大128音、3Dポジショニングプロセッサ、エフェクトDSPを搭載し、音質と表現力が大幅に向上しました。

対応アプリケーション

SMAFファイルを扱うための様々なアプリケーションが存在しました。

携帯動画変換君: SMAFの音声データのみをAACフォーマットに変換することができました。
PSMplayer: MIDIやWAVEサウンドをSMAFファイルに変換することができました。
MidRadio Player: MP3、WAV、MIDIなど、様々な音楽ファイルを再生することができました。
Wave Sound Decorator: WAVやAIFFファイルをSMAFファイルに変換することができました。
FFmpeg: ADPCMストリームのみを持つMA-2形式のSMAFファイルを入力として扱うことができます。ただし、MA-3以降のSMAFファイルは仕様変更により非対応です。また、SMAFファイルの出力も可能ですが、ファイル末尾のCRCチェックサムが出力されないなど、不完全な実装となっているため、携帯電話で再生できないファイルが生成される場合があります。

関連項目

SMAFに関連する技術や規格として、以下のようなものがあります。

MIDI: 電子楽器の演奏情報を記録する規格。SMAFは、MIDIのような演奏情報を扱うことができます。
WAVE: PCM形式で音声データを記録する規格。SMAFは、WAVEのような波形データを扱うことができます。
音声合成: テキストデータを音声に変換する技術。SMAFは、音声データを含めることができます。
AudioEngine: 音声処理を行うソフトウェアやハードウェア。

外部リンク

SMAF ENTERTAINMENT
* Yamaha SMAF GLOBAL

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