BRICK ブリック

映画『BRICK ブリック』について

『BRICK ブリック』（原題：BRICK）は、2005年に公開されたアメリカのミステリー・サスペンス映画です。監督は当時若手のライアン・ジョンソンが務め、独特な世界観と映像美で高い評価を得ました。

ストーリー

物語の舞台は南カリフォルニアのサンクレメンテ高校。主人公のブレンダンは、元恋人のエミリーから助けを求める電話を受けます。しかし、彼女が残した「ブリック」と「ピン」という謎の言葉に困惑し、真相を確かめるべく親友のブレインとともにエミリーの行方を追います。そして、2日後、排水溝でエミリーの遺体となって発見される。ブレンダンとブレインは、彼女の死の真相を解き明かすため、危険な調査に乗り出します。

キャスト

ブレンダン：ジョセフ・ゴードン＝レヴィット
ブレイン：マット・オリアリー
エミリー：エミリー・デ・レイヴィン
ローラ：ノラ・ザヘットナー
ピン：ルーカス・ハース
タグ：ノア・フレイス
トゥルーマン副教頭：リチャード・ラウンドトゥリー
カーラ：ミーガン・グッド
ブラッド：ブライアン・ホワイト
ドード：ノア・セガン

製作の背景

本作は、郊外の高校を舞台に、女子生徒の死を巡る高校生たちの会話劇を中心に展開されます。ライアン・ジョンソン監督は、ハードボイルド作家ダシール・ハメットの作品から多大な影響を受け、プロットやキャラクター構成、会話などにその要素を取り入れています。特に、ハメットの『血の収穫』、『マルタの鷹』、『ガラスの鍵』といった作品からインスピレーションを得ています。ジョンソン監督は、1990年のギャング映画『ミラーズ・クロッシング』のコーエン兄弟のインタビューを通じて、ハメットの作品を知ったそうです。

撮影について

製作費約45万ドルという低予算で製作された本作ですが、ジョンソン監督は入念な準備を重ねています。撮影は20日間という短期間で行われましたが、その前に脚本を洗練させ、3ヶ月間俳優たちとリハーサルを実施しました。主演のジョセフ・ゴードン＝レヴィットは、ジョンソン監督が映画『Manic』で彼の演技を見てオファーしたそうです。監督は、俳優たちにハメットの作品を読むように勧めましたが、演技に影響を与えないようにノワール映画は見せないようにしたそうです。代わりに、ビリー・ワイルダー監督の『アパートの鍵貸します』のようなコメディ映画を見せたとのことです。また、視覚効果に関しては、セルジオ・レオーネ監督のスパゲッティ・ウェスタンや渡辺信一郎監督のアニメ『カウボーイビバップ』から影響を受けたと語っています。

公開と評価

日本では2007年4月14日に公開されました。DVDは『消された暗号 BRICK-ブリック-』というタイトルで発売されましたが、後に『BRICK ブリック』というタイトルでも再発売されています。映画批評サイトのRotten Tomatoesでは、138件のレビューに基づいて80%の評価を得ており、批評家の総意として「これまでのノワールに対する面白いオマージュであり、現代の高校という舞台設定に合っている」と評されています。批評家のロジャー・イーバートも、映画のスタイルと監督の強いこだわりを高く評価し、4つ星満点中3つ星の評価を与え、ジョンソン監督の次回作に期待を寄せています。

興行成績

制作費45万ドルという低予算ながら、北米で207万ドル、全世界で390万ドルの興行収入を記録し、そのクオリティの高さが評価されました。

受賞とノミネート

ライアン・ジョンソン監督は、本作が初の長編映画でありながら、多くの賞にノミネートされるなど、その才能が注目されました。

外部リンク

BRICK ブリック - ウェイバックマシン（2007年5月25日アーカイブ分）
BRICK ブリック DVD - DVD公式サイト（2009年3月16日時点のアーカイブ）
BRICK ブリック - allcinema
BRICK ブリック - KINENOTE
BRICK - オールムービー（英語）
BRICK - IMDb（英語）
Brick - Rotten Tomatoes（英語）
Brick - Box Office Mojo（英語）
* Brick - Metacritic（英語）

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