C-130J (航空機)

C-130J スーパー・ハーキュリーズ

C-130Jは、アメリカ合衆国が製造した軍用の輸送機で、ロッキード社のC-130ハーキュリーズの新しいモデルです。愛称は「スーパー・ハーキュリーズ」です。1991年に開発が始まり、従来型の基本設計をもとに最新技術が盛り込まれています。

主な特徴

この機体では、先進的なミッションコンピューターが搭載され、コックピットが刷新されました。具体的には、大型ディスプレイを4枚装備し、また小型ディスプレイやコントロールユニットが整備され、グラスコックピットを実現しています。これにより、従来必要だった航法士やフライトエンジニアが不要となり、オペレーションは効率的になりました。

エンジンはロールス・ロイス製のAE 2100D3に改良され、プロペラも新しい設計に変更されています。これにより、機体は従来型よりも高い速度と上昇性能を実現し、航続距離の向上や離陸距離の短縮も達成されています。さらに、オプションで空中給油システムを追加することが可能で、各国で様々なミッションに対応する機体に仕上げられています。

バリエーションと役割

C-130Jは多数のバリエーションが存在し、さまざまな軍事的役割に対応しています。基本型のC-130Jに加え、胴体を延長したC-130J-30や、火力支援のためのAC-130J、心理戦用のEC-130J、捜索救難用のHC-130J、空中給油機のKC-130Jなど、多岐にわたる用途が設定されています。特殊部隊用支援機のMC-130Jも存在し、任務に応じた柔軟な運用が可能です。

制作と導入

C-130Jは20年以上にわたり生産され、世界中で広く採用されています。アメリカ空軍をはじめ、多数の国がこの機体を運用しています。生産機数は500機程度ですが、従来型のC-130シリーズが多数存在するため、すぐに新たな機体を必要とする国は少ないのが実情です。その背景には、中古機や既存機の近代化改修が進んでいることも影響しています。

世界の運用国

アメリカのみならず、イギリス、イスラエル、イタリアをはじめ、20カ国以上がC-130Jを採用しています。最新の運用国にはインドネシアやエジプトなどがあり、多様な任務に合わせて各国で導入が進められています。

仕様

C-130Jは、乗員は2名、最大で兵員92名、または最大ペイロードは約18,955kgです。全長29.79メートルで、翼幅は40.41メートル、全高は11.84メートルと、立派なサイズを持っています。性能面では、超過禁止速度は700 km/h、最大航続距離は5,250 km、また実用上昇限度は9,315 mです。

C-130Jはその多様性と信頼性から、軍事輸送の現場で不可欠な存在となっています。

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