CASIOPEA PERFECT LIVE II

CASIOPEA PERFECT LIVE II



『CASIOPEA PERFECT LIVE II』(カシオペア・パーフェクトライブII)は、日本のフュージョンシーンを牽引するバンド、カシオペアによって制作されたライブ映像作品および同名のライブアルバムです。バンドが精力的な活動を展開していた1987年に発表され、当時の彼らの卓越した演奏とパフォーマンスを克明に記録しています。

リリース形態と歴史



本作はまず、映像作品として世に送り出されました。1987年2月25日に、レーザーディスク株式会社からレーザーディスク(LD)としてリリースされたのが始まりです。このLD版は、当時の最新メディアであったLDならではの高画質・高音質でライブの臨場感を再現しようとする試みでした。特に、LDの初回盤を購入したファンには、特典として7インチシングルレコード「Asian Dreamer」が配布され、コレクターズアイテムとしても注目を集めました。

その後、このライブの音源が改めて作品化されることになります。同年7月10日には、アルファレコードよりライブアルバムとしてリリースされました。こちらはレコード(LP)とコンパクトディスク(CD)の2つのフォーマットで展開され、映像を伴わない純粋な音楽作品としてより広くリスナーに届けられました。LP版とCD版では、それぞれ異なる収録曲構成が存在する場合がありますが、基本的にはLD版と同じライブの音源を基にしています。

さらに時代が下り、デジタルメディアが主流となる中で、本作は再び新しい形で提供されました。2000年には、カシオペアのライブヒストリーを振り返るシリーズの一環として、DVDCASIOPEA LIVE HISTORY PART-I』の中に本作の映像が収録され再発されました。このDVD版には、オリジナルにはなかった特典映像として、バンドのリーダーでありギタリストである野呂一生のインタビューが追加収録されており、作品の背景や当時の状況についてメンバー自身の言葉で知ることができる貴重な内容となっています。これらの異なるメディアでのリリースは、本作が長きにわたりファンに支持されてきた証であり、カシオペアのライブパフォーマンスの重要性を示すものです。

ライブの内容と参加ミュージシャン



「PERFECT LIVE II」というタイトルが冠された本作は、前作『PERFECT LIVE』に続く、完成度の高いライブパフォーマンスを収録したものであることを示唆しています。この時期のカシオペアは、後に「黄金期」とも称される野呂一生(ギター)、向谷実(キーボード)、櫻井哲夫(ベース)、神保彰(ドラム)という最強のメンバー構成で活動しており、バンドとしてのアンサンブル、個々の技巧、そしてライブパフォーマンスのエネルギーが最高潮に達していました。

本作に参加した主要なミュージシャンは以下の通りです。

CASIOPEA:
野呂一生: エレクトリックギター
向谷実: キーボード
櫻井哲夫: ベース
神保彰: ドラム

ゲスト・ミュージシャン:
楠木勇有行: ボーカル、パーカッション

レギュラーメンバーによるタイトかつダイナミックな演奏に加え、ゲストとして迎えられた楠木勇有行がボーカルやパーカッションで参加し、楽曲に新たなテクスチャーと深みを与えています。特にインストゥルメンタルバンドとしてのイメージが強いカシオペアにおいて、ボーカルが加わることでサウンドの多様性が広がり、この時期のライブにおける特徴の一つとなっています。

制作スタッフと関連情報



本作の高品質な映像とサウンドは、優れた制作スタッフの力によって実現されました。主な制作クレジットは以下の通りです。

プロデューサー: 宮住俊介
エンジニア: 杉森浩二 (Kohji Sugimori)
エンジニア: 吉沢典夫 (Yoshizawa Norio)

彼らの技術とプロデュースワークが、当時のライブの熱気と演奏の細部を余すことなく捉え、作品の完成度を高める上で重要な役割を果たしました。

また、アルバム版『CASIOPEA PERFECT LIVE II』のリリース後、ファンやバンド演奏者からの強い要望に応える形で、関連資料も出版されました。1987年9月20日には、ドレミ楽譜出版社より、本作の収録曲のスコアを収載したバンドスコアがVol.1とVol.2の二冊にけて発行されています。これらのバンドスコアは、ISBNコードも付与された公式な出版物であり、当時のカシオペアの複雑かつ洗練された楽曲を理解し、実際に演奏しようとする多くのミュージシャンやアマチュアバンドにとって、不可欠な資料となりました。これら出版物の存在は、本作が単なるライブ記録に留まらず、当時の音楽シーンにおいて教育的・影響力のある作品であったことを示唆しています。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。