CB無線

CB無線とは



CB無線(Citizen Band Radio)は、個人や小規模事業者が、近距離での音声通信を目的として利用する無線通信システムです。低コストで手軽に利用できるのが特徴で、世界中の多くの国で制度化されています。一般的に、無線機を購入すれば、簡単な手続きのみ、または手続きなしですぐに利用を開始できます。

CB無線の定義



CB無線は、広義には個人利用やビジネスでの利用を目的とした低コストの近距離無線通信システム全般を指しますが、狭義には以下の意味で使用される場合があります。

CB無線という名称を含む制度:特定の名称を持つ制度に基づく無線通信システムのみを指す場合。
特定の周波数帯を利用する制度:26-27MHz帯の周波数帯を使用する無線通信システムのみを指す場合。
違法CB無線:法令に違反した無線局を指す場合。


各国でのCB無線の表記



英語圏では、CB無線の正式名称に若干の違いが見られます。

Citizen Band Radio:オーストラリア
Citizens Band Radio:米国
Citizen's Band Radio:英国

日本におけるCB無線



日本においては、「CB無線」という正式な用語は制度上存在しませんが、CB無線に相当する制度として以下のものがあります。

市民ラジオ
パーソナル無線
特定小電力無線局(421MHz帯、422MHz帯、440MHz帯を使用)
351MHz帯デジタル簡易無線

CB無線の特徴



無線局の免許



制度によって、無線局の免許が必要な場合と不要な場合があります。免許が不要な場合、無線機を購入すればすぐに利用を開始できます。免許が必要な場合でも、米国ではGMRSのように、免許保持者の親族などに使用を認めるなど、利用者の範囲が緩和されている場合があります。

無線機の形態



無線機の形態は、車両や屋内に設置して使用するものと、携帯して使用できる小型のもの(ウォーキートーキー型)があります。

使用周波数



主に26-27MHz帯や400MHz帯が利用されます。26-27MHz帯を使用するCB無線では、米国の「Citizens Band Radio Service」の周波数配列が採用されることが多いです。

通信方法



複数の周波数を持つ無線機で、空いている周波数を選択して通信を行います。呼び出し専用の周波数が設定されている場合もあります。

他国での利用



CB無線の制度は国ごとに異なるため、原則として、ある国で取得した無線機を他の国で使用することはできません。ただし、米国とカナダのように同一の制度を採用している国や、CEPT加盟国のように相互利用が可能な場合があります。

伝送する情報



主に音声が伝送されますが、一部制度ではデータ通信も許可されています。

無線機の仕様



使用できる無線機は、各国の政府が定める技術基準に適合しているものに限られます。

通信の内容



個人利用やビジネスでの利用が主ですが、不特定多数の人が周波数を共有するため、通信の秘匿性や確実性は保証されません。そのため、緊急時以外では重要な通信や秘匿性の高い通信には利用されません。

アマチュア無線との違い



アマチュア無線は、無線技術への興味や自己訓練を目的とするのに対し、CB無線は特定の用務を達成するために利用されます。しかし、CB無線は不特定多数との通信が可能であるため、アマチュア無線のような利用をされる場合もあります。

CB無線の例



以下に各国のCB無線の例を示します。

米国



Citizens Band Radio Service (CBRS):免許不要、26-27MHz帯40チャネル。
Multi-Use Radio Service (MURS):免許不要、151MHz帯と154MHz帯。
General Mobile Radio Service (GMRS):免許必要、462MHz帯と467MHz帯。
Family Radio Service (FRS):免許不要、462MHz帯と467MHz帯。

カナダ



General Radio Service:免許不要、26-27MHz帯40チャネル。
General Mobile Radio Service(GMRS):免許不要、462MHz帯と467MHz帯。
Family Radio Service(FRS):免許不要、462MHz帯と467MHz帯。

CEPT (欧州郵便電気通信主管庁会議)



CEPT加盟国では、以下のシステムが相互に利用可能です。

CEPT PR 27:免許不要、26-27MHz帯40チャネル。
PMR 446:免許不要、446MHz帯8チャネル。
Digital PMR 446:免許不要、446MHz帯。

日本



市民ラジオ:免許不要、26-27MHz帯8チャネル。
特定小電力無線局:免許不要、421MHz帯、422MHz帯、440MHz帯。
パーソナル無線:要免許(廃止)、903-904MHz帯
351MHz帯デジタル簡易無線:要登録、351MHz帯。

英国



Citizen's Band Radio:免許不要(CEPT PR 27)。
PMR 446:免許不要、446MHz帯。

オーストラリア



Citizen Band Radio (HF-CB):免許不要、26-27MHz帯40チャネル。
Citizen Band Radio (UHF-CB):免許不要、476-477MHz帯40チャネル。

ニュージーランド



Citizen Band Radio (26MHz帯):免許不要、26MHz帯40チャネル
Personal Radio Service(PRS):免許不要、476-477MHz帯40チャネル

香港



Citizens Band Radio:免許不要、26-27MHz帯40チャネル。
Short-range walkie-talkies:免許不要、409MHz帯20チャネル。

関連項目



特定小電力無線局
無線電話用特定小電力無線局
市民ラジオの制度

参考文献



Federal Communications Commission (FCC) :http://www.fcc.gov/
European Conference of Postal and Telecommunications Administrations (CEPT):http://www.cept.org/
European Radiocommunications Office (ERO):http://www.ero.dk/
European Telecommunications Standards Institute (ETSI):http://www.etsi.org/
Office of Communications(OFCOM):http://www.ofcom.org.uk/
Australian Communications and Media Authority (ACMA) :http://www.acma.gov.au/web/homepage//pc=home
Radio Spectrum Management Group(RSM), Ministry of Economic Development(MED) : http://www.rsm.govt.nz/index.html
Office of the Telecommunications Authority (OFTA) of the Hong Kong Special Administrative Region :http://www.ofta.gov.hk/en/
総務省:www.soumu.go.jp
* 電波法、電波法施行規則、無線設備規則、総務省告示

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