Cakewalk by BandLab

Cakewalk by BandLab (CbB) について

Cakewalk by BandLab（ケークウォーク バイ バンドラボ、CbB）は、シンガポールに拠点を置くBandLab Technologiesが開発している、Windows向けの無料DAW（デジタル・オーディオ・ワークステーション）ソフトウェアです。以前はCakewalk社によって開発され、SONARという名称で知られていましたが、現在はBandLab Technologiesによって無償で提供されています。

概要

CbBは、プロフェッショナルな音楽制作に対応できる機能を備えながら、無料で利用できる点が大きな特徴です。かつてのSONARシリーズの最上位グレードであるSONAR Platinumと同等の機能を搭載しており、幅広いユーザーが高度な音楽制作を体験できます。フリーウェア化に伴い、以前のメンバーシップ制は廃止されましたが、現在も定期的なアップデートが続けられています。

歴史

デジタル・オーディオ・ワークステーションとしての歴史は、1996年にWindows 95向けに提供されたCakewalk Pro Audio 4にまで遡ります。その後、数々のバージョンアップを経て、2001年にSONARとして発売されました。長らくRolandが北米以外の地域での販売を担当し、およそ1年に一度のペースでバージョンアップが繰り返されました。

2013年にはCakewalkがGibsonに買収され、国内ではTEACが正規代理店となりました。2015年にはSONARのナンバリングが撤廃され、メンバーシップ制が導入されましたが、2017年にCakewalk製品の開発が終了。しかし、2018年にBandLab TechnologiesがCakewalk, Inc.の資産を取得し、Cakewalk by BandLabとして復活しました。

2023年10月にはBandlabがCakewalkブランドの再構築を発表し、無償のCakewalk by Bandlabの提供を終了。「Cakewalk Sonar」と「Cakewalk Next」の2製品を新たにリリースしました。

付属プラグイン

CbBには、以下のインストゥルメント・プラグインとエフェクト・プラグインが付属しています。

インストゥルメント・プラグイン:
Cakewalk TTS-1 (Roland/EDIROL Hyper Canvasのバンドル版)
Cakewalk Studio Instruments (Bass Guitar、Drum Kit、Electric Piano、Strings Section)
エフェクト・プラグイン:
Overloud TH3 Cakewalk Edition
BREVERB 2 Cakewalk
Sonitus:fx Suite (Compressor、Delay、Equalizer、Gate、Modulator、Multiband、Phase、Reverb、Surround、Surround Compressor、Wahwah)

さらに、Drum ReplacerやProChannelなど、DirectX/VSTプラグイン以外のエフェクタも多数付属しています。

沿革

2001年: RolandよりSONAR発売。DirectX/DXi規格をサポート。
2002年: SONAR 2.0発売。DXi 2.0、ReWire 2規格をサポート。
2003年: SONAR 3シリーズ発表。Producer EditionとStudio Editionの2グレード体制。VST/VSTi、WDM、ASIO規格をサポート。
2004年: SONAR 4シリーズ発表。トラックのフリーズ機能、サラウンド・オーディオをサポート。
2005年: SONAR 5シリーズ発表。x64に正式対応。BitBridgeテクノロジにより、64bit環境でも32bitプラグインを動作可能。
2006年: SONAR 6シリーズ発表。外部コントローラ連携を強化するACT、非破壊オーディオタイミングツールAudioSnapを搭載。
2007年: SONAR 7シリーズ発表。ステップシーケンサやSmart MIDIツールを搭載。
2008年: SONAR 8シリーズ発表。ループ素材ブラウザの改良やインストゥルメントトラックの新設。
2010年: SONAR X1シリーズ発表。Skylight UI、統合ブラウザ、ProChannelを追加。
2012年: SONAR X2シリーズ発表。Smartツール、ピアノロール、マトリクスビューを改良。Windows 8とタッチ操作をサポート。
2013年: SONAR X3シリーズ発表。VST3規格をサポート。国内ではTASCAM Professional Softwareブランドでの発売。
2015年: SONARシリーズ発表。ナンバリング廃止。メンバーシップ制導入。Platinum, Professional, Artistの3グレード制。
2016年: SONAR Platinum LTU (Life Time Update) ライセンス提供。
2017年: SONAR Home StudioをmacOSへ移植したSONAR Mac Prototypeを無償公開。
2017年11月17日: SONARシリーズを含むCakewalk社製品の開発が終了。
2018年4月4日: BandLab TechnologiesよりCakewalk by BandLabリリース。SONAR Platinum相当の機能を無償で利用可能。

主な機能

シーケンサ

ピアノロール、数値入力、譜面入力をサポート。ステップ・シーケンサも搭載（一部エディションを除く）。

オーディオ

マルチトラックでの音楽編集、記譜機能、サラウンドサウンド機能（5.1chと7.1ch）を提供。他のソフトウェアからオーディオ・ループ素材を取り込み、ミックスダウンが可能。64bit浮動小数点オーディオエンジンに対応。

出力形式は、BWF、ASF、MP3、DSD、AIFF、AU、CAF、FLAC、OGG、RAW、RF64、SD2、W64、WAV、WAVEXをサポート。

AudioSnap

オーディオのタイミング修正ツール。スライシングや破壊編集なしで、オーディオをクオンタイズ可能。

ビデオ

限定的な動画編集機能。avi、mpeg、wmv、movファイルをサポート。

対応規格

ReWireによる他マルチメディアアプリケーションとの接続
DirectX/DXi、VST/VSTiプラグインフォーマットに対応
ARA規格のプラグインをサポート

Cakewalk Application Language (CAL)

MIDI関連の操作を記述し、自動化できるスクリプト言語。

Active Controller Technology (ACT)

MIDIコントローラとパラメータのアサインをアシストする機能。コントローラを現在アクティブなプラグインに合わせてアサイン。

その他

64bitオーディオエンジンと64bitミキサーによるフル64bit内部処理
GM2規格に対応
オーディオのミキシング過程の自動化

過去に販売されていたSONARのエディション

SONAR

最上位版のPRODUCERと、普及版のSTUDIOが存在。2010年発表のSONAR X1からSONAR Home StudioがESSENTIALとして統合。2015年からはPlatinum, Professional, Artistの3グレード制に。メンバーシップ制を導入。

SONAR Home Studio

SONARのライトバージョン。一部機能制限はあるものの、ほぼ同等の機能。

Music Creator

SONARの機能を制限したライトバージョン。GUIや操作感が異なる。

SONAR LE

SONARの機能を制限したライトエディション。DTMに関する一通りの機能を装備。

Music Creator LE

Music Creatorの機能を制限したライトエディション。日本国内では未提供。

SONAR V-STUDIO

専用ハードウェアによる音楽制作システム。

引用文献

Cakewalk by BandLab - 公式サイト
Wikipedia

関連項目

Cakewalk (シーケンサ))
ACID
Digital Performer
GarageBand
Logic Pro
Pro Tools
Cubase
Tracktion

外部リンク

BandLab
Cakewalk by BandLab - 製品ページ、インストーラーのダウンロード
Cakewalk by BandLab (@cakewalkinc) - X（旧Twitter）
SONAR（旧 SONAR 製品ページ）
Forums - Cakewalk Discuss

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