CoRoT-1

CoRoT-1とは

CoRoT-1は、いっかくじゅう座の方向に約1,500光年離れた場所に存在する、太陽とよく似た黄色の主系列星です。視等級は13.6等級と暗く、肉眼での観測は不可能ですが、晴れた夜空であれば中型の望遠鏡で捉えることができます。この星は、COROTミッションによって最初に太陽系外惑星が発見された恒星として知られています。

"COROT"という名称は、この星がCOROTミッションの観測対象であることを示しており、このミッションは惑星のトランジット（恒星の前を通過する際の明るさの変化）を検出することで太陽系外惑星を発見することを目的としています。COROTは、フランスが主導して2006年12月に打ち上げられた惑星探査用の宇宙望遠鏡で、「Convection（対流）, Rotation（自転）, and Planetary Transits（惑星トランジット）」の頭文字を取ったものです。このミッションのもう一つの目的は、恒星の光を分析して内部構造を研究することです。CoRoT-1という名称の後の「1」は、この恒星の周囲を公転する太陽系外惑星が、COROT望遠鏡によって最初に発見されたものであることを意味しています。CoRoT-1には、シリウスやプロキオンのような固有の名称は与えられていません。

CoRoT-1の特徴

CoRoT-1はG型主系列星に分類され、放射する光の明るさや色、質量、表面温度などが太陽に非常に近い恒星です。しかし、その明るさは肉眼で見える限界とされる6等級よりも遥かに暗く、光学機器なしで地球から観測することはできません。

変光星としての側面

CoRoT-1は、2007年5月23日にCOROT望遠鏡による観測結果が発表されて以来、60日以上の長期にわたって観測が続けられました。その結果、この星は太陽に似た特徴を持つ一方で、脈動変光星のように震動していることが明らかになりました。これは、恒星の内部構造に関する研究において、重要な発見となりました。

惑星系

CoRoT-1は、COROTミッションによって最初に発見された太陽系外惑星であるCoRoT-1bの親星です。CoRoT-1bは木星とほぼ同じ質量を持ち、CoRoT-1から約0.02AU（天文単位）の距離を公転しています。太陽系と比較すると、水星の軌道でさえ太陽から約0.387AU離れているため、CoRoT-1bは恒星に非常に近い軌道を回っていると言えます。

CoRoT-1bは、CoRoT-1に潮汐固定されていると推定されています。潮汐固定とは、惑星の自転周期と公転周期が一致し、常に同じ面を恒星に向けている状態を指します。この惑星は、赤外線ではなく可視光で発見された最初の惑星としても知られています。また、他のホット・ジュピター（木星型の巨大惑星で、恒星に非常に近い軌道を公転するもの）とは異なり、恒星に面している半球から面していない半球への熱移動があまり大きくないと考えられています。

参考資料

CoRoT-1 - NASA Exoplanet Archive
CoRoT-1 b - Exoplanets Data Explorer
CoRoT-1 b - Exoplanet Transit Database

関連項目

COROT
* 太陽系外惑星の一覧

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