Comicキャンドール

comicキャンドールとは

『comicキャンドール』（コミックキャンドール）は、実業之日本社が発行していた成人向け漫画雑誌です。2003年12月26日に『週刊漫画サンデー』の臨時増刊として創刊され、毎月29日に発売されていました。B5判の中綴じという形態で、Vol.95（2011年12月号）をもって休刊しました。

本記事では、後継誌である『コミックキューガール』についても解説します。

概要

『comicキャンドール』は、純愛系のエロ漫画を中心に連載しており、読み切り作品も掲載されていました。鬼畜系や凌辱系の作品は比較的少なかったのが特徴です。2000年代初頭の「萌え」ブームの影響を強く受けており、性行為の濃厚な描写よりも、それに至るまでのストーリーや「萌え」の要素が重視されていました。時には、性行為の描写はおろか、性器の露出さえもない作品も存在しました。

前身は『COMIC激ガール』（実業之日本社）で、2003年12月26日にリニューアル創刊されました。初期の頃は、前身雑誌の名残で巻頭グラビアや袋とじグラビアが掲載されていましたが、Vol.29からは掲載されなくなり、純粋な漫画雑誌となりました。

表紙

雑誌名ロゴタイプは創刊号からVol.91まで同じものが使用されていましたが、Vol.92で刷新されました。キャッチコピーは、Vol.53からVol.62まで「超高感度! エロ×萌え満たんコミック誌♥」や「エロ×萌え美少女満載コミック誌!!」が使用されていました。その他の号でも「萌え」や「美少女」などの単語が多用されていましたが、キャッチコピーに一貫性はありませんでした。

カバーイラストは、創刊号からVol.7まで、にしき義統が担当し、Vol.8から最終号のVol.95まで、あずまゆきが担当しました。あずまゆきは連載がない月でも表紙イラストを欠かさず執筆しており、表紙イラストを使用したテレホンカードの応募者全員有料サービスも実施されていました。

表紙イラスト（カバーガール）にはコンセプトがあり、読者投稿で募集した名前や特徴をイメージ化して描かれていました。これらの表紙イラストは、『あずまゆき画集 four colors』にすべて収録されています。

自主規制で使用されるシールは青透明シール2枚でした。以前は表紙の質が悪く、発売直後でも綺麗に剥がすことが難しかったのですが、Vol.73から改善されました。

号数表記

表紙と背表紙では「VOL.○○」、誌面（目次、次回予告、プレゼント応募用紙）では「vol.○○」や「○○号」、実業之日本社のウェブサイトでは「No.○○」と表記にばらつきがありました。

コミックキューガール

『comicキャンドール』休刊から半年後の2012年3月に、後継誌として『コミックキューガール』（COMIC CUTEGIRL）が創刊されました。コンセプトは、クールなデザインを前面に押し出した美少女作品を掲載した萌え系漫画雑誌であり、『キャンドール』連載陣のあずまゆきや凪妖女に加え、克・亜樹やガビョ布なども執筆していました。『キャンドール』と雑誌コードや発売日、『週刊漫画サンデー』の臨時増刊扱いなどは同一でしたが、B5判・平綴じ（無線綴じ）・折り込み特殊表紙を採用するなど、『COMICすもも』などに近い仕様でした。お色気度も『キャンドール』よりソフトで、具体的な性描写はなく、一部の漫画に女性のヌードシーンがある程度で、18禁表示やシール留めも行っていませんでした。

しかし、創刊号の発売日当日に、執筆作家であるあずまゆきや表紙イラストを手がけたrefeiaなどが、ブログやTwitterで「この創刊号で休刊することを告げられた」と公表しました。そのため、一部地域では入手困難となり、Amazon.co.jpなどでは中古商品がプレミア付きで販売される状態となりました。実業之日本社は休刊理由について、「『キャンドール』とは違う路線の雑誌となるはずだったが、『キャンドール』の路線に近くなってしまったため、会社の計画と現場の考えのギャップが埋めきれなかった」と説明しています。

翌2013年には、本体であった『漫画サンデー』も休刊したため、実業之日本社は男性向け漫画誌から撤退することとなりました。

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