Crazy Stone

Crazy Stone（クレイジーストーン）は、フランスのコンピュータ開発者レミ・クーロンによって開発された囲碁思考エンジンです。iOSとAndroidのアプリでは「Champion Go」という名称も使用されています。2011年からは日本国内で『最強の囲碁』として市販されています。

Crazy Stoneの特筆すべき点は、モンテカルロ木探索を囲碁思考エンジンに初めて導入したことです。この技術革新は、コンピュータ囲碁の開発に大きな進歩をもたらしました。ネット碁サイトKGSでは、2012年1月に五段、2014年3月には六段の段位を獲得しています。

開発の経緯

クーロンは2005年7月にCrazy Stoneの開発に着手し、初期段階からモンテカルロ法をその設計に取り入れました。初期のバージョンは、彼のウェブサイトからフリーウェアとしてダウンロード可能でしたが、現在は提供されていません。2006年にはパターン認識と探索機能が追加され、Crazy Stoneは第11回コンピュータオリンピアードの9路碁部門で優勝を果たしました。翌年の第12回コンピュータオリンピアードでは、9路碁部門で3位、19路碁部門で2位という成績を収めています。

プロ棋士との対局

Crazy Stoneの大きな功績として、2008年に行われたプロ棋士・青葉かおり四段とのエキシビジョンマッチでの勝利が挙げられます。この対局でCrazy Stoneは、8子局の置き碁で勝利し、プロ棋士に9子未満のハンディキャップで勝利した初のソフトとなりました。同年12月には、第2回UEC杯で優勝したCrazy Stoneと青葉四段の対局が7子局で行われ、ここでもCrazy Stoneが勝利を収めています。

2013年の第6回UEC杯で優勝したCrazy Stoneは、電聖戦で石田芳夫九段（二十四世本因坊秀芳）に4子局で3目勝ちを収めました。さらに、2014年3月21日の第2回電聖戦では、依田紀基九段に4子局で2目半勝ちを収めるという快挙を達成しています。

主な戦績

2006年5月29日 - 第11回コンピュータオリンピアード9路碁部門 優勝（トリノ）
2006年6月1日 - 第11回コンピュータオリンピアード19路碁部門 5位（トリノ）
2007年6月13日 - 第12回コンピュータオリンピアード9路碁部門 3位（アムステルダム）
2007年6月17日 - 第12回コンピュータオリンピアード19路碁部門 2位（アムステルダム）
2007年12月2日 - 第1回UEC杯コンピュータ囲碁大会 優勝
2008年9月4日 - 青葉かおり四段に置き碁8子局で勝利
2008年12月14日 - 第2回UEC杯コンピュータ囲碁大会 優勝
2008年12月14日 - 青葉かおり四段に置き碁7子局で勝利
2009年11月29日 - 第3回UEC杯コンピュータ囲碁大会 9位

参考文献

“The Mystery of Go, the Ancient Game That Computers Still Can’t Win”. Wired (5 December 2014).

関連項目

最強の囲碁

外部リンク

Crazy Stone website
* Remi-Coulom GitHub - GitHub

もう一度検索