D-FAX

D-FAX（ディーファックス、Dial in FAX）は、電話回線から送られてくるFAXを、電子メールで受信できるようにするインターネットFAXサービスです。かつては、YOZANが100%出資する子会社、東京テレメッセージサービス株式会社が提供していました。このサービスは、同社が280MHz無線呼び出し事業の一環として展開していましたが、2021年10月31日をもってサービスを終了しました。

D-FAXの仕組み

契約者には、専用の発信者課金番号（020から始まる11桁の番号）が割り当てられます。この番号宛に送信されたG3FAX画像は、添付ファイルとして電子メールに変換され、指定されたメールアドレスにSMTPで送信されます。このサービスは、NTT東日本・西日本の加入電話、ISDN、ひかり電話（IP電話）、ソフトバンクテレコムの直収電話、KDDIの直収電話・0ABJ-IP電話、J:COMのJ:COM PHONEプラスなど、様々な電話回線から利用可能でした。

D-FAXの最大の利点は、電子メールを受信できる環境があれば、どこにいてもFAXの内容を確認できることでした。これにより、従来のFAX端末、インク、トナー、用紙といった消耗品が不要になり、コスト削減にも貢献しました。また、ページャー（ポケットベル）の通信料を発信者課金する仕組みを利用していたため、受信契約者には通信料の負担がありませんでした。

電気通信番号規則第9条第1項第5号に定められた発信者課金無線呼び出し番号を使用しており、D-FAXの着信をマジックメール端末に通知する「D-FAX着信通知サービス」も標準で提供されていました。ただし、「D-FAX着信通知サービス」を解約してD-FAXのみを利用することはできませんでした。

D-FAXの歴史

D-FAXのシステムは、もともと2000年に、ももたろうインターネット（後の名古屋めたりっく通信）が開発しました。試験サービスは2000年10月18日に開始され、約1ヶ月後には正式サービスへと移行しました。

2003年には、名古屋めたりっく通信がソフトバンクBBと合併する際、D-FAX部門は鷹山（当時）の子会社である株式会社マジックメールサービスに営業譲渡されました。その後、株式会社マジックメールサービスは、YOZANスカイキャストコミュニケーションズへと社名を変更しました。

2008年10月1日には、運営会社である株式会社YOZANスカイキャストコミュニケーションズが、東京テレメッセージサービス株式会社へと社名変更しました。また、2008年12月1日から2009年3月31日までの期間限定で、1法人につき3番号まで初期費用無料となるキャンペーンも実施されました。

2009年2月26日には、D-FAXの通知メール内の提供者情報が、YOZANスカイキャストコミュニケーションズから東京テレメッセージサービスに変更されました。2020年11月2日には、新規申し込み受付が終了し、2021年10月31日をもってサービスを終了しました。

脚注

D-FAX

関連項目

YOZAN
東京テレメッセージサービス

外部リンク

株式会社YOZAN
東京テレメッセージ株式会社
* D-FAX

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