DASH福山駅前

DASH福山駅前：福山競馬の歴史を受け継ぐ場外馬券発売所

広島県福山市に位置するDASH福山駅前は、競馬ファンにとって馴染み深い場外馬券発売所です。その歴史は、福山競馬場と深く関わっています。かつて福山市競馬事務局が運営していた福山競馬場の場外発売所として誕生しました。しかし、2013年3月の福山競馬場廃止という大きな転換期を迎えます。

その後、兵庫県競馬組合が運営を引き継ぎ、同年6月からはDASH場外として新たなスタートを切りました。福山競馬場の面影を残す形で、居抜きでの営業が開始されたのです。単に馬券発売所として運営されるだけでなく、福山競馬場の歴史と伝統を受け継ぐ場所としての役割を担うこととなりました。

更なる発展として、2016年には『J-PLACE福山駅前』として、日本中央競馬会（JRA）の場外発売も開始しました。当初は、各競馬場のメインレースのみの発売でしたが、2017年には全レースの発売へと拡大されました。これは、競馬ファンの多様なニーズに対応するため、発売内容の充実を図った結果と言えます。さらに、東京優駿（日本ダービー）においても前日発売を開始するなど、サービス向上への取り組みは継続されています。

2021年には、同じく福山競馬場外から転換したDASH柳津が営業を終了しました。これにより、DASH福山駅前は福山市内で唯一残る、福山競馬場関連施設となりました。歴史的価値と地域住民への貢献という、重要な役割を担っていると言えるでしょう。

DASH福山駅前の特徴として、発券機に日本トーター製を採用している点が挙げられます。これは、福山競馬場外時代からの流れを汲むものです。そのため、富士通フロンテック製の発券機を採用する他の園田・姫路場外発売所とは払戻方法に互換性がないという、独自のシステムを採用しています。J-PLACEや地方競馬の投票券においても、他社製の発券機で購入した馬券の払戻には、事前に問い合わせが必要となる場合があります。これは、購入情報の照会に本場への問い合わせが必要となるためです。

利用時間についても、地方競馬と中央競馬で異なります。地方競馬開催日には、昼間開催や園田ナイター開催時は10:00から、他場ナイター開催時は12:00から営業開始となります。ナイターのみの開催時は14:00開場です。中央競馬開催日には9:30から営業開始となります。払戻時間は、開催日の営業時間内に準じます。JRAの発売は、原則として有馬記念が前日発売となりますが、他のレースは当日発売となります。

DASH福山駅前は、地方競馬と中央競馬の両方を発売する利便性の高い場外馬券発売所です。福山競馬場の歴史を受け継ぎ、地域に根ざした運営を行うことで、多くの競馬ファンに愛され続けています。今後も、競馬ファンにとってなくてはならない存在として、発展を続けることでしょう。

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