DEEN The Best キセキ

DEEN The Best キセキ：デビューからの軌跡と感謝を込めたセルフカバーアルバム

2005年発表の『DEEN The Best キセキ』は、DEENにとって11枚目のアルバムであり、同時にセルフカバーアルバムという、バンドにとって特別な意義を持つ作品です。デビューから数えて干支が一周、新たな出発点として、長年支えてくれたファンと、楽曲制作に携わってきたミュージシャンへの感謝の気持ちを込めて制作されました。

このアルバムでは、DEENの代表曲を、新たなアレンジ、新録音で生まれ変わらせています。長年セルフプロデュースを貫いてきたDEENですが、今作ではプロデューサーやアレンジャーを新たに迎え入れ、楽曲に新鮮な息吹を吹き込んでいます。その結果、過去の楽曲が持つ魅力を再発見し、現代的な感覚で楽しめる作品に仕上がっています。

特に注目すべきは、約10年ぶりに織田哲郎氏書き下ろしの新曲「TWELVE」が収録されている点です。織田哲郎氏はDEENの楽曲制作に深く関わってきた人物であり、この新曲は、DEENと織田哲郎氏の絆の深さを改めて示すものとなっています。

『DEEN The Best キセキ』は、単なるベストアルバムではありません。長年の音楽活動の中で培ってきた経験と、未来への展望を込めた、DEENの集大成と言える作品です。その証として、オリコンチャートでトップ10入り（邦楽のみでは9位）という輝かしい結果を残しました。これは、ベストアルバム『Ballads in Blue〜The greatest hits of DEEN〜』以来、約4年ぶりの快挙です。

さらに、初回限定盤には「Premium Disc」が付属しており、DEENに楽曲を提供したアーティストによるセルフカバーが収録されています。これらの楽曲は、過去に発表されたものですが、DEENとの繋がりの深さを感じさせる選曲となっています。ZARDの「瞳そらさないで」や小松未歩の「君がいない夏」といった名曲も、DEEN流のアレンジで新鮮に蘇っています。ただし、ZARDの『翼を広げて』は2005年当時は未発表で、3年後の2008年にシングルCDとしてリリースされた楽曲です。

また、「Teenage dream」と「LOVE FOREVER」は、当初『Classics Three SAKURA～』への収録が予定されていましたが、再アレンジされ、このアルバムに収録されることになりました。「LOVE FOREVER」については、『Classics Three SAKURA～』ではbreak7と8のメドレーでサビのみ演奏されていたバージョンです。

アルバムには、DEENの代表曲である「このまま君だけを奪い去りたい」「翼を広げて」「ひとりじゃない」「Memories」「瞳そらさないで」「Teenage dream」「永遠をあずけてくれ」「君さえいれば」「未来のために」「思い切り 笑って」「夢であるように」「LOVE FOREVER」「日曜日」に加え、新曲「TWELVE」が収録されています。これらの楽曲は、それぞれ原曲のアレンジを変え、新たな魅力を引き出しています。例えば「このまま君だけを奪い去りたい <キセキVersion>」は、1stシングルの原曲を岩田雅之氏が編曲し、新たな魅力を引き出しています。

さらに、『33rdシングル「ダイヤモンド」』のカップリング曲には、アルバムに収録されている「未来のために」の英語詞バージョンが収録されています。

プロデューサー陣も豪華で、鎌田俊哉氏、DEEN & 時乗浩一郎氏、長戸大幸氏（Premium Disc）、瀬川忍氏、松浦晃久氏、島健氏、葉山たけし氏といった錚々たるメンバーが参加しています。

『DEEN The Best キセキ』は、単なる過去の楽曲集ではなく、DEENの音楽人生を振り返り、未来への展望を示す、非常に意義深い作品と言えるでしょう。そして、このアルバムは、彼らの音楽に対する真摯な姿勢と、ファンへの感謝の気持ちが凝縮された、まさに「奇跡」のような一枚と言えるでしょう。

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