島健

島健：多彩な才能を駆使する音楽家の軌跡

島健（しま けん）は、1950年東京都生まれのジャズピアニスト、編曲家、作曲家、そして音楽プロデューサーです。タンゴピアニストの父の影響を受け幼少期からピアノを始め、20代よりスタジオミュージシャンとして活動を開始。彼の音楽人生は、国内にとどまらず国際的な舞台へと広がっていきます。

アメリカでの研鑽とジャズシーンでの活躍

1978年、島健は音楽の研鑽を深めるため渡米。Dick Grove School of Musicで編曲を学びます。その後、アレン・ヴィズッティ・バンドやバニー・ブルネル・バンドにレギュラーメンバーとして参加し、ロサンゼルスの有名ジャズクラブで演奏。彼の音楽性は、この地で大きく開花しました。

1980年代に入ると、演奏活動はさらに活発化。アメリカ各地やイスラエルで開催されるジャズフェスティバルに出演する他、数々のレコーディングやツアーにも参加。ホセ・フェリシアーノの北米・南米ツアーに参加したほか、アレン・ヴィズッティ、バニー・ブルネル、ケニー・ランキンなど、錚々たるメンバーとの共演を果たします。ジョー・ファレル、トニー・ウィリアムス、ドン・アライアスといったジャズ界の巨匠たちとの共演経験も積むなど、アメリカでの活動は彼の音楽家としての基礎を固める上で大きな役割を果たしました。

日本への帰国と多様な音楽活動

1986年に帰国した島健は、ジャズピアニストとしての活動に加え、スタジオミュージシャンとして精力的に活動を開始。これまでに数千曲を超えるレコーディングに参加し、その才能は多様な音楽ジャンルへと広がります。

彼の編曲や作曲、プロデュースの才能は、サザンオールスターズ、浜崎あゆみ、中島美嘉といった人気アーティストの作品に広く見られます。その活動範囲はポップス、ロック、歌謡曲と実に多岐に渡り、GLAY、平原綾香、JUJU、森山良子、加藤登紀子、石川さゆり、天童よしみなど、多くのアーティストの作品に携わってきました。

音楽活動30周年と代表作

2000年には音楽活動30周年を記念してアルバム『BlUE IN GREEN』をリリース。同年、弦編曲を手掛けたサザンオールスターズの「TSUNAMI」がミリオンヒットを記録し、第42回日本レコード大賞を受賞する快挙を達成。2002年には、編曲を手掛けた浜崎あゆみの「Voyage」が第44回日本レコード大賞を受賞するなど、彼の編曲・作曲の才能は高く評価されました。

2003年には、森山良子初のジャズアルバム『THE JAZZ SINGER』をプロデュース。このアルバムには、世界的サックス奏者であるマイケル・ブレッカーが参加し、アメリカツアー時にはニューヨークのブルーノートで共演を果たすなど、長年の夢を実現させました。

映画、ドラマ、ミュージカルへの貢献

島健は、ジャズ、ポップスといった分野にとどまらず、映画、ドラマ、ミュージカル音楽の作曲や音楽監督も手掛けています。作曲を手掛けたミュージカル『Freddie～少年フレディの物語～』と『ピュア・ラブ』は、それぞれ東京芸術劇場ミュージカル優秀賞、読売演劇大賞優秀賞を受賞するなど高い評価を受けました。

2010年から2011年にかけては、倉本聡脚本のテレビドラマ『歸國』の音楽を担当。日本初演となるレナード・バーンスタイン作曲のミュージカル『ワンダフル・タウン』の音楽監督も務めました。JUJUのジャズアルバム『DELICIOUS』のプロデュースも手掛け、テレビ番組への出演も果たすなど、その活動は多方面に広がりを見せています。

継続する音楽活動

2012年には、ベニー・アンダーソン&ビョルン・ウルヴァース原案、ティム・ライス作詞によるミュージカル『CHESS』のコンサート版「CHESS IN CONCERT」に音楽監督・演奏で参加。ニューヨークでのライブ出演や、日本の音楽番組への出演など、現在も第一線で活躍し続けています。

島健の音楽活動は、ジャズというルーツを持ちながらも、ポップス、ロック、歌謡曲など様々なジャンルを横断し、映画やドラマ、ミュージカルといった分野にも広がり、その幅広さと奥深さが際立っています。彼の音楽は、これからも多くの人の心を魅了し続けることでしょう。

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