DINコネクタとは？意味をやさしく解説 - サードペディア百科事典

DINコネクタとは

DINコネクタとは、ドイツ工業規格（DIN: Deutsches Institut für Normung）によって規格化されたコネクタ全般を指します。特に丸形コネクタが広く知られていますが、電子基板同士を接続するツーピースコネクタもDIN規格に含まれます。

一般的に「DINコネクタ」と呼ばれるのは、この丸形コネクタを指すことが多いです。プラグ側は直径13.2mmの金属シールド内に2ピンから8ピンの信号線を配置しています。プラグの信号ピンはオス、レセプタクル（ジャック）はメスで、金属シールドの一部が凹んでいるため、誤った接続を防ぐことができます。同じピン数でも複数の配列があり、用途によって使い分けられます。一部のメーカーでは、プッシュロックや回転式ロック機構を備えた互換品も製造されていますが、本来の規格ではロック機構はなく、抜けやすい反面、外部からの力が加わった際の安全対策としての役割も担っています。

丸形コネクタの応用

丸形DINコネクタは、その多様性から様々な分野で利用されています。

音響機器

5ピンのコネクタは、ステレオ信号の入出力に使用され、特にオープンリールテープレコーダーの接続によく用いられました。また、多ピンコネクタはテープレコーダーのリモートコントロール端子としても利用されました。クラリオン製のカーオーディオでは、CD/MDチェンジャー接続ケーブルに13ピンのDINコネクタが採用されています。

電子楽器

MIDI信号用のコネクタとして標準化されています。かつては、DIN Syncという同期用接続端子としても利用されていました。

コンピュータ

PC/AT互換機では、キーボード接続端子（ATコネクタ）として使われていましたが、後にミニDIN6ピンのPS/2[[コネクタ|PS_2コネクタ]]に置き換えられました。NECのPC-8801mkIIシリーズでは、キーボード接続端子に13ピンのDINコネクタが採用されていましたが、後にミニDIN5ピンに変更されました。その他、デジタルRGBやアナログRGB端子、データレコーダ、ライトペン、専用ディスプレイ制御端子など、幅広い用途で使用されました。

ゲーム機

SC-3000などのAV端子にU字形5ピンDINコネクタが使用されたほか、PCエンジンシリーズやセガ・マークIIIなどのAV端子にもDINコネクタが使われています。

その他

ケンウッドやクラリオン、パナソニック製のカーナビの一部機種では、RGBケーブルにDINコネクタが採用されました。また、アーケードゲーム[[基板]]のコントロールボックスにも使用されています。

スピーカーDINコネクタ

2ピンのスピーカーDINコネクタは、オス側は横長のピンの上に細い丸ピンがあり、メス側はプラス極がプラス形、マイナス極がマイナス形をしており、視覚的に極性を判別できます。現在はあまり流通していませんが、昔のスピーカーなどで見られます。オンド・マルトノなどの歴史的な電子楽器にも採用例があります。

小型丸形コネクタ（ミニDINコネクタ）

ミニDINコネクタは、直径9.5mmとDINコネクタよりも小型の丸形コネクタです。

ツーピースコネクタ

ツーピースコネクタは、電子基板同士を接続するために使用されます。特に、コンピュータのバスやモジュール化されたユニットをマザーボードに接続する際に利用されます。エッジコネクタと比較して、基板の厚さによる接触圧の影響を受けにくく、安定した接続が可能です。一般的には2列または3列で64ピンから96ピンのものが使われますが、大電流用や同軸コネクタを組み込んだものなど、様々なバリエーションがあります。

ツーピースコネクタの応用

- VMEバス：現在も使用されているモジュールバス。
- NuBus：かつてMacintoshの拡張スロットとして利用されていた。

外部リンク

- ウィキメディア・コモンズには、DIN コネクタに関するカテゴリがあります。

もう一度検索

DINコネクタ